ヘッドハンターのポケットブック
No.1 希望条件
No.2 早期退職優遇制度(その1)
No.3 ヘッドハンティングされる方へのアドバイス
No.4 ヘッドハンティング会社の選択
No.5 TOEIC
No.6 面接の準備・小売店訪問調査
No.7 面接は演技
No.8 面接で「私にまかせなさい」と言えますか?
No.9 給与は明快にかつ柔軟に…(1)
No.10 自分を語る
No.11 自分の顔
No.12 正直
No.13 酒 (その1)
No.14 酒 (その2)
No.15 ミッションで共感
No.16 面接官
No.17 職務実績・成果(自慢話)
No.18 TOEIC(その2)
No.19 外資系企業(その1)
No.20 赤信号
No.21 天使のささやき
No.22 英語を学ぶ動機
No.23

英語学習法(その1) 読む、書く、聞く

No.24

英語学習法(その2) 英語をとにかく使う

No.25

英語学習法(その3) 英語の勉強は一生のもの

No.26 2社から採用内定がとどいたら
No.27 最終面接 (その1)
No.28 最終面接 (その2)
No.29 3S(Three “S”)
No.30 年収300万円
No.31

面接後のフィードバック

No.32 入社後の評価
No.33 「前向き」の姿勢と行動
No.34 外人面接
No.35

早期退職優遇制度(その2)

No.36 名刺(その1)
No.37 名刺(その2)
No.38 3人の友達
No.39 意志表示
No.40 愛想の良い面接官
No.41
No.42 プライド(その1)
No.43 プライド(その2)
No.44 面接でノートをとる、質問をする
No.45 覚悟を聞く質問
No.46 果報は寝て待て(その1)
No.47 果報は寝て待て(その2)
No.48 もしかぶくろ
No.49 外資系企業(その2)「初印象」
No.50 カタカナ語の勉強(その1)
No.51 転職は3社以内
No.52 履歴書・職務経歴書への添付写真
No.53 納品書
No.54 約束の時間
No.55 給与は明快にかつ柔軟に…(2)
No.56

退職願いの受理を拒否されたら

No.57 面接官の職責
No.58 入社時期(辞職時期)の調整
No.59 財務諸表を読む
No.60 漢字の読みテスト
No.61 人となり・ 人柄
No.62 相性 (ケミストリー/Chemistry)
No.63 顧客の目線
No.64 人事と現場(部署の責任者)との違い
No.65 自己紹介は自分のプレゼンテーション
No.66 一度、不採用になった会社に再応募する場合
No.67 余計な事はいわない
No.68 面接での質問は重要です
No.69 「会長面接」(あるいは顧問の面接)
No.70 コンピテンシー
No.71 「学習意欲」「迅速な学習能力」
No.72 候補者に求められる能力、人物像
「チームプレーヤー」
No.73 「恋とニュースの作り方」

No.1

希望条件

日経平均が8,500円を割ろうとしていて19年ぶりの安値、世間では特に株の世界では「土砂降り」の時、SEあるいはプログラマーを目標にしている山本 義彦氏(仮名)から次のような再就職にあたっての希望条件がとどきました。

●厚生年金基金に加盟している会社。

●ソフトハウスやアウトソーシング事業は就職するつもりはありません。

●従業員が500名以上。

● 大手一部上場企業もしくはその子会社(孫会社は不可)。

●一部上場企業でなくてもある程度の会社またはその子会社でも可。

●外資系企業はできたら避けたい。

それに加えて就労条件として含まれていると望ましい条件

●フレックスタイム制。

●寮もしくは社宅に入居可。

●バイオ関連事業を行っている会社。

●服装自由。

常日頃、求人側から採用のための厳しい必要条件をお聞きした場合、ヘッドハンターは良く冗談でも「そんな条件に合格する方がいたら連れてきてほしい、わたしが採用しますから」といいたいと思っていますが、この場合山本氏には「そんな条件に適合する会社があったら教えてください、わたしが入社しますから」といいたくなります。
(2002 10月25日)


No.2

早期退職優遇制度(その1)

企業によってはかなりの良い条件を社員に提示します。社員のなかではやむなくこの制度を利用する方もいますが、その必要がないのにあまりの良い条件の魅力に負け、甘い読みで利用されてしまう方々もおられます。 一流大学を卒業され、一流企業に就職され社内競合にも勝ちよいポジションについている方々のほとんどの方が労働市場を甘くみます。 <この私だったらどこか再就職先はあるだろう> しかし現在は外資系、日本系の会社ともに大変厳しくなっていますので、こんな筈ではなかったと思われる方が多くいらっしゃいます。上記のMさんの例をみてください。45歳の男性、米国MBA取得、一流飲料メーカーでのマーケテイング経験者、ヘッドハンターにとってすぐ売れると思われる方でさえ良い案件にめぐり会わなければ6ケ月以上かかるのです。基本的なことですが、現職に席があるうちに次の就職を決定する事が最善策です。 

参考:早期退職優遇制度(その2)


No.3

ヘッドハンティングされる方へのアドバイス

ヘッドハンターが応募する企業をよく勉強していてその企業を“熱く語れる”かどうか見極めます。会社案内、アニュアルレポート、ホームページをよく勉強してから応募するかどうか判断します。

リテーナー契約とコンテインジェンシー契約の違いを知っていると便利です。

一般的に企業とヘッドハンテイングの会社には人事顧問契約というものがありますが、リテーナーといってその企業のポジションのヘッドハンテイングを専属で請け負っている場合とコンテインジェンシーといい“成功報酬型”で受けている場合があります。 前者はそのヘッドハンテイングの企業より推薦されている候補者のなかから決定しますが、後者の場合は他社の推薦している候補者との競合になります。企業のトップを内密で探す場合などは前者の契約が多く、中間から上級管理者では最近は後者の契約が多くなっています。 これは“買い手市場”といわれるほどクライアント(採用者側)が強くなったこともありますが、ヘッドハンターの企業間での競合が激しくなってきているのも一因です。従来型ヘッドハンテイングを重要視するF社長は、リテーナーの仕事をするように強く勧めますが、たしかにクライアントとそのヘッドハンテイングの企業との関係が強固の場合“リテーナー”契約が結ばれます。リテーナーの場合は人事顧問契約料金が前払いになるからです。コンサルタントに信用と実績がない限り普通の企業ではサービスに対する“前払い”はしませんし、コンサルタント料も少額ではありませんから、企業も慎重になります。

私をはじめて見るA先輩の目が鋭かった。と私の経験を書きましたが、わたしも候補者の一人の方からそれを間接的にいわれたことがあります。 ヘッドハンターとして私は“その方が売れるか?” 採用者側の方からみて面接のときどう見られるのか判断しようとして目が鋭くなっていたのではないかと思います。ヘッドハンターは貴方の味方ですしかし結構鋭い目で貴方を見ています。初対面の時から相手をヘッドハンターだと思わず、採用者側の人事担当者であると思って接するのもひとつの方法かも知れません。


No.4

ヘッドハンティング会社の選択

ヘッドハンテイングの会社で何十人とコンサルタントを抱えている会社はべつにしまして、少ない人数の会社では、必ず得意の分野があります。 社長の出身分野でその業界に強いとかその会社の重要顧客(企業)のいくつかがある業界にまとまっていて過去実績もあるというようにです。自分の就職を希望する業界に強く、実績のあるヘッドハンテイングの会社をパートナーに選択しましょう。希望する案件も数多くある筈です。 あるヘッドハンテイングの会社とコンタクトをもってもある一定期間に案件の紹介がなかった場合は違うヘッドハンテイングの会社とコンタクトしてみるのも一案です。


No.5

TOEIC

トーイックといって英語の語学力試験です。受験料はかかりますが申し込めば誰でも受験可能です。試験方法はリスニング(聞く)とリーデイング(読み)で大学出身1年目で500点といわれますが、英語を得意としない方は500点は取れません。上級者では800点から900点です。外資系企業の応募要項では最近は英検何級というよりもTOEIC何点と記載され応募者にも面接でいつ受験され、何点ですかと良くきかれるようになりました。Mさんの740点はもちろん合格です。


No.6

面接の準備・小売店訪問調査

消費財マーケティングマネジャーのポジションに山本氏(仮名)を推薦いたしました。

それは面接の準備の良い方でした。

山本氏は面接を受ける前に小売店頭まで行きその製品の購入に関心がある顧客の一人となりました。 その訪問目的は次の事項に関する調査でした。

1. どこにその製品が展示されているか?

2. 価格はいくらか? 競合と比較してどうか?

3. 店員がそのメーカー及びその製品をどのように説明するか?

4. 現在店頭で実施されているその製品の販促キャンペーンは何か?

また店頭販促物で配られている印刷物も入手していました。

幸運なことにその対応してくれた店員はその企業の製品の購入を勧めてくれました。

以上の調査結果を基に山本氏は面接者と話すわけですから、応募する企業の製品に対する販売戦略、特に製品のポジショニング、価格戦略、代理店戦略等求人側との対話が非常に具体的に進みました。 この準備の良さは山本氏のその企業に対する強い関心を示すだけでなく面接時の対話を通じてマーケティングにかんする能力を訴えることができました。

面接成功の一例です。


No.7

面接は演技

産業カウンセラーの横溝氏(仮名)は「面接は演技だ」「面接を受けるときは役者にならなければいけない」といいます。 履歴書、職務経歴書を整えるように、ヘアースタイルから服装まで注意しなくてはいけない。「人の印象は最初の3分間できまる」と強調します。そのため「人材紹介業」や「再就職斡旋業者」は書類を整えるサービスだけでなく候補者が面接に臨む時のアドバイス、面接の練習が必要だと確信しています。

「面接は自分をアピールして売る機会だ」と強く信じ限られた時間にどれだけうまく自分を売り込めるでしょうか? わたしは機会があり人事の澤口氏(仮名)の面接に同席したことがあります。 面接全体の流れの中で澤口氏のアピールが不足している。「随分、謙遜した受け応えになっていた」と感じました私はそれを後で質問してみました。 澤口氏の答えは「いや、ご縁があり入社した後で上司から“君は面接では随分おお風呂敷を広げていたね”といわれたくないですから」というものでした。

面接時にできないことを「できます」と答え経験のないことを「経験あります」と答えてはいけないのは当然ですが、「卑下しすぎない、謙遜しすぎない」具体例をあげて「ここまでできます」「ここまでやった経験があります」というアピールが必要だと思います。特に面接には普通の場合、競争相手が大勢いて面接者(採用者側)が消去法で採否を決定しますので、アピール不足で積極性のみられない「即戦力」になれそうにない方にはチャンスがまわってきません。

上記の横溝氏は面接にでかける人に「今日は俳優だぞ、元気で、笑顔でいけ」とか2次面接の時は「前回あっているのだから笑顔で愛想良く挨拶はきちっとしろ」とか大きな声でアドバイスしています。


No.8

面接で「私にまかせなさい」と言えますか?

先輩シニアコンサルタントの河合氏(仮名)が経験されたことです。
外資系(本社米国)通信関連の会社が新しいプロジェクト立ち上げのため日本人の社長を求めていました時のことです。
米国本社より重役が来日しホテルの一室で面接となりました。最終候補者が3名にしぼられまして面接が行われたのですが、残念ながらそのときは全員不採用となりました。
どうしたのでしょうか? 全員業界経験者の上級管理者で英語もうまくコミュニケーションにはなんら問題はありませんでしたが、河合氏によるとその方法に誤りがありました。

全員とも、日本市場でその企業が新しいプロジェクトで直面しているあるいはこれから直面するであろうと想定される問題点を具体的にあげることはできました。 しかし現職で、または前職で経験した諸問題をうまくいかなかった「言い訳」で説明されたのです。 そしてその企業の新しいプロジェクトに対しても「そのような問題点を本社の人(外人)に理解してもらわないと成功しない」というスタイルで話が進みました。

河合氏いわく「言い訳」から入るスタイルは駄目で「自分はこれらのことで苦労したが、経験もつんできた御社の新しいプロジェクト日本市場での立ち上げは“私にまかせなさい”」といえるかどうかで採否が決定するというものでした。 もしあなたが候補者であったらそういえますか?


No.9

給与は明快かつ柔軟に・・・ (その1)

面接で給与の話しが採用者側とかわされる場合、あなたの受け応えはどうでしょうか? 年俸は昨年実績がいくら、今年の理論年俸がいくらなので、それと同等かそれ以上いただきたいと具体的な数字をだして言われますでしょうか?

年俸額は業界によって、企業によってまた時期によって随分ちがいます。 まえもってヘッドハンターに自分の希望をいってある、あるいは採用者側の予算を聞いている場合を除いて私は候補者には「柔軟な受け応え」をお勧めしています。 まずできる限り採用者側の予算を聞くことです。 「御社の給与規定に従います。 ところでご縁がありました場合いくらぐらいになるのでしょうか?」と聞く方法です。 面接の場で聞けない場合は「エージェント(ヘッドハンター)を通じて後でお聞かせいただければ、検討させていただいてお答えいたします。」という方法もあります。 

候補者の希望している金額と採用者側の予算がかけ離れている場合「採用見送り」ということが面接結果がよかったにもかかわらずよくあることを経験しております。

ある日本系の企業で私のお勧めした候補者の山田(仮名)氏は2次面接の社長面接で希望年俸を聞かれ800万円とその場で答えました。 実はわたしも山田さんも社長から直接2次面接の場でそのような質問があるとは思っておりませんでしたので正直打ち合わせ不足でした。私は山田氏の経歴からすると、1,000万円から1,200万円を要求されるかと想像しておましたので随分低くいわれたと感じました。

しかし結果は800万円の希望になんと後日人事部長から600万円という提案があったのです。真偽の程は定かではありませんが、その人事部長から後日言われました社長は山田さんのいわれた希望年俸から山田さんの「人材市場での価値」を判断されたということです。

わたしの親しくしていただいている田中(仮名)氏はある外資系の企業に勤務されているいわゆる超高給年俸(2,000万円以上)を取得している重役です。 田中さんはわたしがいつも低い年俸の話ばかりすると思われて「福島さんは年俸の低い企業とまた低い候補者とばかりお付き合いされているのではないですか?」といわれました。 ご自分の恵まれている環境が普通か、ヘッドハンターのいう情報が適切なのかあなたなら田中さんにどう説明しますか? 私は田中さんにまったく違う労働環境が存在しておりそれも近年ますます「デフレ傾向にある」ことを説明したかったのですが……

◇給与は明快かつ柔軟に・・・ (その2) → こちら


No.10

自分を語る

田所(仮名)氏は米国駐在で小さい会社の社長をされている方でした。 日本に帰国する機会にお会いしたいというコンタクトがイーメールでありました。 米国駐在での友人から私の名前を聞かれたとの事でした。

お会いして名刺交換がすみ型どおりのわたしの自己紹介がすんだ後、田所氏は自分を語り始めました。 ノートをとる癖のある私はすぐにペンを走らせました。
内容は次のようなことでした。

● 田所氏の活躍されてきた業界と職責の説明。

● 会社名とその組織 (大企業に勤務されていましたので子会社、合弁企業)の説明。

● 現在の会社に就職の経緯。

● 現在勤務している会社の説明。(歴史、特徴、強い点、問題点)。

● どうして転職を考えているか。 田所氏のキャリアゴール。

私は次のことをお聞きしました。

● ご希望の業界。(どこまで対象を広げられるか?)

● ご希望のポジションと年俸。

わたしは普通候補者の自慢話を聞くのですが、田所氏の要点をうまくカバーされ簡潔に自分を表現されたので聞くのを忘れました。

許された時間内で初対面の人に自己紹介をする。自己アピールをする。自分の計画を説明する。まさに自分に関する「プレゼンテーション」でした。田所氏は採用企業との面接は上手にすすめられ高得点を獲得されるだろうと思いました。
後で自分のノートを見直したところ、非常にうまく纏まっていました。 これはわたしのノートをとる技術がすごいのでなく田所氏の話の「うまさ」でした。


No.11

自分の顔

先日年商約100億円の企業の林田(仮名)社長にお会いする機会がありました。 近年企業の体力が毎年おちていてやむなく経費節減、リストラ策をおこなわなければいけない毎日、朝自分の顔を鏡でみると歳のせいだけでなく随分「みにくい顔」になっている自分を発見したというお話でした。 気のせいでなく家内からも同じことをいわれました、と自嘲ぎみに話されました。 そんな顔で求職のための面接に臨んだらどうでしょうか? 求人側は候補者の疲労気味の顔をみてこの方が会社の「力仕事」ができるだろうか?と疑問に思い不採用にするでしょう。 管理職でなくても営業等「会社の顔」として外部と接触する職責の人には会社を代表する「元気な顔」「清潔感」を求めるでしょう。

林田社長は「みにくい顔」からの脱出のために趣味をエンジョイすることによる気分転換とまた転職という道も選択肢として考えておられました。 少し気をつけられ努力する事により元来の「オーラ」を発散させる社長にもどられることでしょう。

疲れた感じはなにも顔だけではありません。 髪型、ひげ、歯、ネクタイ、背広、ワイシャツ、靴、かばん、また面接のときとりだす手帳、ボールペンまで「くたびれた感じ」はよく表現されてしまいます。 自分の毎日見慣れたものでは気がつかない場合もありますが、面接の前には一度チェックをお勧めします。 既に前職を辞職され「浪人中」長い間求職活動をされているかたは特に注意が必要です。 知らず知らずに「くたびれた感じ」は水垢のようにたまっていきます。

白髪染めを面接の前にするという方法はどうでしょうか? わたしの存じ上げている方で50歳前後の男性候補者で3人の方が黒く染められて面接に臨んでおられました。 いずれもヘッドハンターの勧めでなく候補者の奥様やお嬢様からのアドバイスだとのことでしたが、身近にそのようなアドバイスをしてくれる方がおられるのは幸運です。整形手術までして「自分の顔」に責任はもてませんが、清潔に保つ事、身ぎれいにするのは可能です。


No.12

正 直

橋口さん(仮名:女性42歳)は外資系企業でかなりの実績をあげてこられた方でした。弊社社長の知人からのご紹介で面談をさせてもらいました。約40分間の面談中お人柄もよく感じられ、ご家庭もお子様二人を立派に育てられていました。 社長も私も面談後非常に優秀な方であると感じました。

あるクライアントとの面接のときホテルのロビーでお会いしました。採用側の人事の方に紹介したとき、少し遅れてこられた採用側の社長を紹介したときの橋口さんのマナーは良く文句のつけようのないものでした。

ある外国資本がはいった日系の会社で人事部のマネジャーが求められていました。 外資系企業で経験のある方が、既成の概念にとらわれずに人事戦略の立案と実施が出来る方を採用したいという希望でした。 わたしは橋口さんを推薦しました。 採用側のマネジャーと橋口さんが大学の同窓であることでなにか縁を感じました。

期待に反して1次面接後、不合格の知らせがきました。その理由の一つに橋口さんが面接時に「御社が私を必要とするなら入社しても良い」といわれたそうです。面接者は2名だったのですが、両者とも「こちらが頭を下げて入社してもらうことはない。」という感じになった模様です。 人事の窓口の方からは「候補者は随分正直な方ですね」といわれました。橋口さんのいわれる面接時の「正直ベース」の話し方が採用側には伝わらなかった。
残念ながら理解されなかったのでした。


No.13

(その1)

「酒は百薬の長」量さえ間違わなければ健康に良いことは誰でも認めているものです。
相沢氏(男性51歳、仮名)のケースをお話します。

相沢氏は年商約300億円の外資系企業のマーケティングマネジャーにヘッドハンティングされていました。 いくつもの関門をクリアーされました。 書類選考、人事部長面接、
そして見事社長による最終面接にも合格しました。 人事部長はそれまでに数えきれない人数の面接を実施し採用のための期間は数ヶ月にわたっていました。 ヘッドハンターの労力もそれが商売とはいえ大変なものでしたが、それらの時間、苦労の全てが報われる採用決定にいたったのです。ポジションはマーケティングマネジャーでしたが将来社長の後継者候補となるものでした。

入社内定のお祝いの席がもうけられました。 相沢氏が招待され社長、人事部長、関係者が用意された料理、飲み物を楽しみ会話もなごやかに会は進みました。 しかし食事の途中で人事部長は少し心配をはじめ、会が進むにつれ「はらはら」するようになりました。 社長は営業畑の経験が長く場をもりあげる会話も上手でしたが、顧客にも酒の「すすめ上手」でしたので主役相沢氏の酒の量が会がすすむにしたがってかなりの量となりやがて人事部長の心配が本当になってしまったのです。 相沢氏はとうとう度を越し「大失態」を演じてしまいました。 周囲の人たちの制止もきかず社長にたいしても失礼な言動を重ね、お祝いの席はとりかえしのつかないことになってしまいました。

「酒の席での失敗は許される」ことにはならず採用内定は取り消しとする通知が人事部長よりまもなく届きました。


No.14

 (その2)

二次面接の日時を設定の時、長田( 男性・55歳、仮名 )社長は、次のようにいわれました。「平田さん( 男性52歳・仮名 )はお酒がすきですか?」 わたしは単刀直入の質問にすぐ返答ができませんでした。

それは平田氏が前職を辞められるときの理由に本社から監査にきたマネジャーから平田さんは仕事中に「酒の匂いがする」といわれたことを聞いていたからです。

平田さんの元上司の赤石(男性・50歳、仮名)社長に電話をかけ平田氏のことを聞きました。 赤石社長は次のように私に話しました。

●コントローラーの仕事は本当にできる人である。

●会社に2回ほど赤い顔をして出社したので、社長室に呼んで注意をしたことがある。

●本社より経理マネジャーがきているとき酒のにおいをさせて出社して注意された。

●わたしに言わせれば平田さんは「大馬鹿者」である。 わたしは停年まで働いてもらおうと思っていた。 仕事面だけからすれば今からでも雇いたいくらいだ。

赤石社長の部下の三田(女性・48歳、仮名)部長に電話で平田氏のことを聞きました。

●毎日のように赤い顔をして出社していました。 お酒の匂いがしました。

●タバコも30分おきに吸っていました。

●赤石社長が平田さんの仕事ぶりをすごく高く評価しているのでその点すごくマイナスにっていることをアドバイスしました。

平田氏と2時面接の前後にお聞きしました。 平田氏は次のように答えました。

●酒は好きかどうかと聞かれれば「好き」と答えます。

●入社後営業部員たちとのコミュニケーションをよくするために飲んだこともあります。

●毎日お酒をのむほど財政的に余裕はありません。

●タバコは現在アルバイト先でも昼休みにオフィスの外ですうだけです。

わたしは長田社長になんて答えればよいかしばらく考えました。


No.15

ミッションで共感

最近多くの企業では会社の「使命」をミッションという言葉で表現し社員はもとより顧客に公表してその実現に努力しています。 先日お会いしました大林氏(男性・55歳・仮名)は最終面接で米国からきましたCEO(最高経営責任者)と合いその企業のミッションについて説明を受け共感を得て入社を決意しました。 それは年俸がいくらかということより自分にとって重要であったと話されていました。

「弊社に関してなにかご質問がありますか?」と採用者側からいわれたとき「御社のミッションはなんですか?」と聞いてみるのはどうでしょうか。 人事部長がまた上級管理者がそれを明確に説明できなかった場合あなたはその企業をどのように判断するでしょうか? 「ミッション」が解かりやすい言葉で簡潔に述べられそれに情熱をもって企業の上級職の人たちが説明をしてくれる。 それにあなたが賛同して入社のきっかけになるという例は理想的なものでしょう。

大林氏は職業を選択するという意味でいくつかのアイディアをお持ちでした。高齢化社会のなかで貢献できる仕事、多国籍企業であること、環境問題にかかわる仕事、ある程度長期間にわたってできる仕事を希望されていました。 こんなデフレの厳しい環境、リストラの当たり前のご時世に「仕事を選ぶなんてとんでもない」という声がどこかから聞こえてきますが、わたしは大林氏が今後どんな仕事をされるか大変興味をもっていますし「Good Luck!」と陰ながら応援しています。


No.16

面接官

ヘッドハンターの河合氏(男性・53歳・仮名)は「一瞬ムカッとしました」とその面接の話をしてくれました。 外資系メーカー人事マネジャーの候補者の面接に立ち会った時の話です。 候補者は一流消費財メーカーの人事マネジャー34歳男性の方でした。面接官はやはり一流消費財メーカーの徳田(男性・60歳・仮名)人事部長でした。

候補者を紹介し面接の行われた会議室で河合氏は候補者のすぐ隣に座り徳田部長と相対しました。 そのとき徳田部長は開口一番河合氏にむかって「君はあっちに座ってくれ目がちらつく」といわれたそうです。 本当に目がちらつくのでしょうか? ヘッドハンターにそのような口調で命令する事により候補者に自分をえらそうに見せたかったのではないだろうか? というのが河合氏の推測でした。 徳田部長は業界でも名前は知られそんなことまでする必要はないのにというのが河合氏のコメントでした。

さて面接ではどうだったのでしょうか? わたしは興味津々で聞きました。 河合氏はムカッとしたわりには冷静に面接を観察していました。 面接で二人の対話を聞いていまして34歳の候補者の方が60歳の徳田部長よりスケールが大きく感じたというのです。 人事部の面接なので当然のごとく社員教育の話しになったのですが、徳田部長の社員教育の自慢話で英語の教育にいかに多くの時間と経費を費やしてしているかに言及されました。 候補者の企業では何年か前には同様の「英語」のトレーニングが盛んでしたが現在は行われていません。 それは社員の「英語」のレベルがあがりその必要性がなくなったからでした。

徳田部長は候補者の現在の給与に関してもコメントしました。「君の現在の年俸は高い、君は海外留学していないだろう」このコメントにはさすがの河合氏も驚いていました。
海外留学経験者でなければ高い年俸はもらえないのでしょうか?


No.17

職務実績・成果 (自慢話)

岩本氏(男性・59歳、仮名)の2次面接の結果は「当落線上のすれすれです。 少し考えさせてください。」とクライアントの事業部長佐藤氏(男性・52歳、仮名)から連絡が入りました。 「お人柄も良く経営戦略を力で推し進める強いものをお持ちだと感じましたが、残念ながら前職での職務成果に関して質問したところ駄目でした明確の答えが返ってきませんでした。 面接官4名全員が岩本氏は職歴に記載されていることを実際におやりになっていないのではないかという不信感をもった」ということです。 岩本氏はいわゆる面接下手だったのでしょうか? 謙虚すぎて「自慢話」をしなかったのでしょうか? それとも職務経歴書に事実と違うことを記載されたのでしょうか?

津田氏(男性・42歳、仮名)の面接の結果は残念ながら不合格でした。 マーケティングマネジャーの職責で面接官のデンマーク人が津田氏の過去・現在のマーケティング実績・成果を質問しました。 津田氏から明確な解答がなく、津田氏は将来このようにしたい、あのようにしたい、というような話をその時されたそうです。 そこで面接者は津田氏には過去・現在ともにマーケティングでのたいした実績がないと判断されました。 津田氏は外人との面接に慣れていなかったのでしょうか? 日本人特有の謙虚さで「自慢話」が苦手だったのでしょうか? 想定問答集を作って英語での面接の練習をしなかったのでしょうか?


No.18

TOEIC (その2)

最近の新聞にビジネスマンの英語の勉強、TOEIC(トーイック)の点数による評価に批判的な意見がでていました。 家庭の主婦からだったのですがご主人が英語の勉強に大変苦労されているのを見ての意見でした「英語ができる人の給与が上がるのはおかしい」というものです。 会社から社員に対しての英語の能力に関するプレッシャーが非常に強い、それにご主人がついていけない事実を見ての意見だと思います。

外資系一流企業の最近の例ですが、新入社員に求めていたTOEIC(トーイック)の点数を650点から750点に大幅に上げたとお聞きしました。 その企業では「DAY ONE MANAGER」(デイ ワン マネジャー)というポリシーももっており新入社員が入社1日目からマネジャー(管理職)として一人前の社員としてあつかわられるというものです。

英語の必要性はますます高くなっています。 では英語ができる優秀な管理職は全員が「帰国子女」でしょうか? 「帰国子女」で優秀な管理職もいますが、日本のカルチャーをよく理解し日本市場のビジネスを良く経験し、なお「帰国子女」でないのに英語が上手なビジネスマン、オフィスレディーが大勢管理職として活躍しています。 ご経歴書にTOEIC850点から900点と記載されている方々が近年増加しています。


No.19

外資系企業 (その1)

中道氏(男性・47歳、仮名)をある外資系企業にスカウトしようと連絡をとり案件を説明した時です。そのとき中道氏の答えは次のようなものでした。

「外資でひどい目にあいました。 今は日本の会社で幸せにやっております。 現在の給与は外資に比較して低い、その上なにからなにまで雑用を含めて全て自分でやらなければいけない。それでも自分には現在の会社があっています。 一生懸命つとめ上げようと思っています。」

転職回数が多い中道氏がしみじみと語ったのはまるで「安住の地」をやっとみつけたような語り口でした。 これまで勤務された外資系企業でどのような「ひどい目」に合ったか知りませんが、中道氏に外資系企業は合わなかったようです。 若いうちに経験不足でもチャンスがもらえる、昇進が早い、給与も高い、職責が明確である、評価基準もオープンになっている等、外資系企業の良さが日本の企業に比較して一般的にいわれますが、中道氏のように外資企業には合わない方がおられるのも事実です。

戦略が変わる。社長や管理職が頻繁に変わる。リストラをドライに断行する。常に高い目標を与えられる。本社の支援が少ない。日本の市場に合わない製品が輸入販売される。本社の人事制度がそのまま日本の組織に採用される等々、外資系企業経験者は外資系企業の良いところも経験していますが問題点も中道氏のように「ひどい目」に合うというかたちで経験しています。


No.20

赤信号


坂田(男性62歳、仮名)社長より知人の藤田(男性52歳、仮名)人事部長の話しを伺いました。「藤田部長は最近転職したが入社後すぐに転職が失敗であったことがわかり他の会社に変わりたい」とのことでした。
藤田部長の前職の企業は一流企業でしたが、今回転職された会社と比較するとたしかによく名前の知られた企業ですが「どうして転職を決意されたのだろうか?」という素朴な疑問がわいてくる企業でした。 新聞・雑誌等で有名なオーナー社長から藤田部長は直接に「わが社は君が必要だ、きてくれないか」と強く招聘され意思決定したというのです。「君のような優秀な人材こそわが社は求めている」などと企業のトップからいわれれば悪い気はしないし自分が必要とされていると思うのも事実です。

「藤田部長は渡ってはいけない赤信号を渡ってしまいましたね」坂田社長は今回のような少し慎重に冷静に考えれば転職してはいけないと判断できるケースで転職を決意し入社後直ちに失敗だとわかるような時よくこの「渡ってはいけない赤信号」の表現を使用します。藤田部長はどうして「赤信号」でわたってしまったのでしょうか?

その会社での自分の役割はなにか? それはやりがいのあることか? 興味をもてるか?と問いかけると同時に、その役割(職責)を自分のいままでの経験でまた現在の能力で実行可能か?成功するのか?と自分自身に真摯に聞く事が必要です。「自分ではお役にたてない」と思った場合は辞退する勇気も大切です。

今回の藤田部長の例は、坂田社長が好んで使用するもうひとつの言葉が浮かんできます。それは「職に就く事が真の目的ではなく、そこで成功することが最も重要です。」
就職しなければ、あるいは転職しなければ、という思いが最優先されそれにより意思決定された結果おもわしくないという例が多数あるからです。


No.21

天使のささやき

岩城弘雄氏(仮名男性・51歳)にお勧めしたい案件を、ホテルのラウンジでご説明しました。 主に消費財をターゲットにしたマーケティング サービスの会社(本社:米国)の日本社長のポジションです。 米国ではすでに確立されているそのサービスも日本市場ではまだスタートしたばかりでした。 岩城氏は米国に住まわれていましたのでそのサービスはよくご存知でしたが消費財の流通に関するマーケティングのご経験がなく、「私よりももっと適任者がいるでしょう。 友人に消費財流通に経験のあるぴったりの人がいますからその人が興味を持つかどうかわかりませんがご紹介しましょう。」と暗に岩城氏自身はこの案件に興味が無いというサインを出されていました。

案件の説明が終わりこの案件に岩城氏にご興味がないとわかり、一段落しアイスティーを飲んでいた時です。 岩城氏は次のような話を披露してくれました。 岩城氏いわく「わたしは友人や後輩にヘッドハンターより案件の話を聞いたときの心得として常にアドバイスしています。」 「そのヘッドハンターの話が自分にとって<天使のささやき>なのか<悪魔のささやき>なのか冷静に考えて判断するようにと………」


No.22

英語を学ぶ動機

ある企業の上級管理職をしている方から聞いたお話です。その方の経験では28歳で先輩から「営業、マーケティングの経験実力がいまのままでも英語が読めて英語で報告書が書ければ給与は今の倍になる」といわれました。結婚して子供が誕生ハングリーだったその方は英語を勉強し実際に給与が倍になりました。その後その方は営業からマーケティング部に移りました。 そこで英語で会議に出席でき、戦略を議論し、マーケティングプランを書ければ給与は3倍になると知りました。 そしてマーケティングの勉強にあわせて継続して英語を勉強し給与が実際に3倍になりました。その後その方は英語で世界戦略会議に出席できワールドワイドの社長または企業のCEOと中長期事業計画あるいは年間計画で戦略、予算、実績等はなしができる上級経営者になれば給与は5倍になると知りました。 そして管理者としての勉強にあわせて継続して英語を勉強し給与が実際に5倍になりました。以上の話、英語を学ばなかったら全て実現不可能でした。


No.23

英語学習法(その1)

読む、書く、聞く

わたしは世界的な医療器具、用具、検査機器試薬メーカー(本社 米国)の人事総務本部長の方の次のような考え方にまったくの同意見です。それは英語を読む力、聞く力、書く力、話す力がおのおの連結していてひとつでも力をつければその他の力も同じく向上していくという考えです。いいかえれば「私は英語を読むのはできるが英語を書く、話すのは苦手だ」というのは当たらないすなわち「英語がきちっと読める人は書くことも話すこともできる」というものです。その方は先ず英語を読むことから始めようと勧められていますが、 わたしはそれに加えて、どちらかというと質より量、英語をたくさん読む、たくさん書く、このぐらいで良い量だろうと思うその倍の量を読む、倍書くことが力をつける鍵だと信じます。 聞くことにかんしては、同社の社長が以前からよくいっておられたことに「常に英語のシャワーをあびよう!」というのがあります。 関東地方ではAMラジオの810で米軍放送を聞くことができます。 また今は全国でCNNのニュースを英語で聞くことができます。 レンタルビデオ、CDで英語の映画を家庭で何度でも繰り返し観ることができます。 最初は聞き取れなかった早口な英語(米語)もつねに接する事により聞き取れるようになります。


No.24

英語学習法(その2)

英語をとにかく使う

ゴルフの本を読んだからといって決してゴルフは上達しません。練習場でいくら練習しても良い玉がコース(本番)で打てるとはかぎりません。 英語をとにかく使うことです。 もう少し上手く話せるようになったら話すとかもうすこし早く書けるようになったら書く、なんていっていると一生英語で話すことも書くこともできません。 外人と朝会ったとき大きな声で「GOOD Morning!」と一言発すれば(使えば)それでひとつ階段を上がる(上達する)ことだと思います。 英語の成績が良いのにシャイな人、英語の成績は駄目なのに「おしゃべりな人」どちらの人が英語の上達が早いでしょうか? それはもちろん後者です。それはまさしく私が証明しています。 あるオーストラリア人(採用者側)と英語で面接の時私が聞いても英語が上手と思われた日本人の候補の方が、面接の終盤に突然オブザーバーで面接に立ち会っていた私に「このこと英語で伝えてもらえませんか?」といわれて驚いたことがあります。 自分の言葉(英語)・表現方法で(たとえ上級な英語でなくても)コミュニケーションをとることは重要なことです。 他人の通訳で伝えたメッセージでは魅力も半減です。


No.25

英語学習法(その3)

英語の勉強は一生のもの

外人からあなたの英語は上手などといわれたらあなたはどう思いますか?そのお褒めの言葉にThank youと笑顔でこたえても、あなたの英語はまだまだ勉強が足りないと思うことをお勧めします。 本当に上手な人は外人からそんなことはいわれません。 ああ今勉強中だな少し励ましてやろうという発想から「あなたの英語はたいへん上手です」という表現になるのです。 最近はTOEICという英語上達をはかる便利な試験(道具)がありますが、この点数は最初少しづつ上がるかもしれませんし、血の出るような努力を続けてもなかなか上がらないかも知れません。 それでもあきらめずに努力をしていれば、ある日突然海の中から海面に浮き上がり一面の青空が目に入るような感じで英語が上達している自分の英語力に気がつきます。


No.26

2社から採用内定がとどいたら

荒井重則(あらい しげのり)氏(仮名、35歳、男性)のところに2社よりほとんど同時に採用内定通知が到着しました。 職責は外資系の消費財メーカーの経理、財務部長で両社ともに年俸は1200万円でした。 新井氏は現在の会社(外資系)の経営に疑問をもっていました。 業績は良いのですが将来長続きはしないのではないかという不安がありました。 また営業方針と営業活動にも疑問をもっていましたとくに営業幹部達の営業経費の使用がでたらめでよく上級職から許可がでていると思いながら経理の仕事をしていました。 批判的な意見を社内でいう荒井氏は皆から敬遠される環境になってしまいました。そこで転職を決意し複数の人材紹介のエージェントに声をかけ転職活動をしていたのです。

荒井氏はコンサルタントの吉田孝明(よしだ たかあき)氏 (仮名、53歳、男性)の紹介してくれたA社に決めようかとおもいました。 それは吉田コンサルタントのサービスが非常に良かったのです。 A社の説明、とくに職責の説明、社風、組織の特徴等を適格に説明してくれました。 また書類選考、1次面接、2次面接の段階でA社との連絡も迅速に細かいフォローアップをしてくれたのです。 また荒井氏が吉田コンサルタントに正直にB社から採用内定がでて迷っているというと、大事な意思決定だからとA社に返事をしなければいけない日をアドバイスしそれまで待てるといってくれました。

もう1社のコンサルタント中井武雄(なかい たけお)氏 (仮名、47歳、男性)は日本人離れしたドライの方でした。 A社からも採用内定をもらって迷っていると話をするとなんと中井コンサルタントは荒井氏から入社辞退があった場合採用予定企業は次の候補者に内定を出す予定なので受諾するかどうかの意思表示を早くするようにと言われたのです。

コンサルタントだけを比較した場合荒井氏はA社を決定していたことでしょう。 しかし荒井氏はA社を辞退してB社に転職することを決定しました。 決め手は非常に明確でしたなんと荒井氏は短期間にA社を退職した人もいれてA社を知っている6人に個別面談をしてアドバイスをもらったのです。 「貴方にはあの会社は合わない」「もしA社に入社したら短期間で貴方は辞表を出す事になるでしょう」とはっきり助言してくれた人達がいました。 A社を良く知っている人、新井氏の考え方、性格、仕事ぶりを良く知っている人からのアドバイスは貴重なものです。 入社する前の調査は重要です。入社後すぐに「しまった失敗した」というのを避けるためです。


No.27

最終面接、(その1

日笠 政司(ひがさ まさじ)氏 (仮名、男性40歳)はエンジニアでしたが多忙な毎日を過ごしていました。 顧客対応が良いのは会社内でも客先でも評判でした。顧客で日笠氏の担当した製品にクレームが発生した場合はすぐに訪問して解決につとめました。日笠氏はキャリアゴールで海外の仕事がしたいと考えており転職を希望していました。 内資系企業でしたが海外の仕事に応募しました。 事業部長の1次面接に無事合格し最終面接(社長面接)の日が決まりました。

その日に顧客先で日笠氏の担当している製品にクレームが発生してしまいました。 かれは最終面接を急遽キャンセルして顧客を訪問しました。 もし貴方が日笠氏の立場でしたら最終面接を受けていたでしょうか? もし貴方が採用側の担当者でしたら日笠氏の事をどう評価したでしょうか? 

船山 晴行 (ふなやま はるゆき)コンサルタント(仮名、男性54歳)は日笠氏はクレームの発生した顧客に急遽いくのではなく、最終面接を受けるべきだったと言っています。 それは本人の製品に対する責任感が強いという事で評価されるというよりも、その会社に本気で転職する気があるのか懸念をもたれるというものでした。 船山コンサルタントはさらにコメントを追加しました。 日笠氏の「わたしがいなければ、この会社は大変なことになる」という考え方は問題だと指摘します。 日笠氏はどちらかというと「人が良い」「面倒見が良い」ので会社での問題解決を押し付けられていると思っています。 自分が最終面接を受ける時間、移動を考えてもせいぜい3時間会社からいなくなっても、会社が大変なことになるなんていうことはないと考える判断力が大切だという事です。


No.28

最終面接 (その2

土谷 昭二 (つちや しょうじ)氏 (仮名、男性31歳)はマーケティング職の上級職を希望していました。 1次面接は採用企業の人材開発部長でしたので土谷氏が現職であることを考慮して土屋氏の希望した朝の8時より行われる事が設定されました。 無事1次面接を合格した土谷氏に最終面接の連絡がありました。 採用側の面接官は事業本部長と人事総務本部長の二人です。 金曜日の夕方6時からというものでした。 

土谷氏はスケジュールに懸念がありました。 それは翌週の月曜日から新しい期が始まるため前日の金曜日には突然上司より呼ばれてなにか言われる事があるかもしれないというものでした。 採用側の人事担当者は金曜日の7時から面接官が他のアポイントメントがあるので土谷氏が遅刻をしてもらうと困ると言われました。 そこで土屋氏は金曜日の夕方6時をキャンセルして翌週を希望しました。 翌週の木曜日あるいは金曜日の朝8時を希望しましたがあいにく受け入れられず金曜日の午後2時という連絡が採用側企業からありました。

土屋氏はもし金曜日の午後2時にいけなかったらどうしようか? と林 元博(はやし もとひろ)コンサルタント(仮名、男性、57歳)に相談しました。 林コンサルタントは土屋氏が金曜日に休暇を取り最終面接を受けることを勧めました。 土屋氏はもし休暇が取れなかったら? と重ねて聞きました。 林コンサルタントは当日「頭が痛くなるか」 「気分がわるくなった」とかいう急病で早引けをしても最終面接を受ける事を勧めました。


No.29

3S (Three “S”)

本田 誠(ほんだ まこと)氏(仮名、男性66歳)は最近スリーエス(3S)の実践を目標として大切にしていると友人に公言しています。 テニス仲間と打ち上げパーティーの時その話となりました。 最初の“S”は? という質問に本田氏は先ずSports(スポーツ)と答えました。 テニス仲間は「納得」という感じでうなずきました。では2番目の“S”は? それはSAKE (酒)という答えでした。 体調が良いと美味しく、人生楽しい時は酒、と普段から本田氏はいっており旅日記にも必ず「美味しいお酒を飲みました」という報告がありました。 それでは3番目の“S”は? の質問に本田氏はテニスやけした健康な顔で笑顔となり、いたずらっ子のような目をして仲間一同を見回しました。 皆さんよく理解している“S”ですよ。 仲間は答えがでなくてもなるほどそうか? という感じでお互いの顔を見合わせて笑いました。 すると本田氏はタイミングよくSUIMIN(睡眠)と大きな声で答えました。

本田氏は現在悠々自適の生活ですが、現役の時は外資系一流会社でコントローラーからCFO(財務最高責任者)の職に30年以上務められました。 本田氏は30年の間に上司(社長、ほとんどが外人)が10人以上代わりましたが、本田氏自身は代わりませんでした。 それは本田氏が長年固く守ってきたルールでした。 上司(社長)のために一生懸命働き良い部下となる、しかしあまり個人的に近づき過ぎずバランスを考え「一定の距離を置く」ということでした。


No.30

年収300万円

2003年の流行語大賞候補には自由民主党の野中氏の「毒饅頭」もありましたが、森永卓郎氏の「年収300万円」というものがありました。 同氏は同名の本が売れ印税収入があり年収3000万円になったという話もテレビの「ニュースステーション」で話題とされていました。「デフレの時代年収300万円で楽しく暮らしましょう。」というのがテーマでした。

外資系(本社 米国)大手メーカーに上級管理職として勤務されていました坂村 謙三(仮名、53歳)氏は事情があり退職されました。 坂村氏はハローワークにいかれました。 ハローワークの職員と面接する前に提出する書類がありその記入の欄に収入金額というのがありました。

ハローワークの職員の方は坂村氏との面談中に「年収300万円では大変でしょう、お子様は成長されていますが生活は苦しいのではないですか?」と聞かれました。坂村氏は最初なんの話か理解できませんでしたが、後で気がつきました。 収入の記入欄には平均月収とありましたので坂村氏は300万円と記入していたのでした。 職員の方はそれを年収と誤解されていたのでした。


No.31

面接後のフィードバック

渡辺 隆一氏(仮名、49歳)をある案件に推薦した時でした。 一次面接の面接官は3名の上級管理者でした。 採用側の希望でわたしは渡辺氏を面接会場までお連れしまして紹介をした後面接には立ち会いませんでした。 候補者を推薦しましたコンサルタントとしては面接がどのように進んだか結果が気になるところです。 渡辺氏はそれにすぐ応えてくれました。面接後すぐに電話をくれ「自分では良い応答もでき合格に自信がある」「採用側の方々の話を聞き、応募したポジションに大変興味があるので採用側の面接結果の評価が良かった場合はこの話を進めてほしい。」というものでした。

コンサルタントは採用側の担当者と面接後、面接結果を話します。 候補者よりの面接後のフィードバックを事前にもらっていますと、特にそれが前向きの場合は採用側の担当者と話がしやすくなり次のステップに進みやすくなります。 渡辺氏の場合も2次面接に進みました。 面接後結果はどうであれコンサルタントにフィードバックの連絡をしましょう。 上手くいった面接また良くなかった面接の場合でもコンサルタントにフィードバックし面接で起こったこと感じたことを具体的に話すことによって次につながる役に立つヒントが得られるでしょう。


No.32

入社後の評価

「ヘッドハンティングの話や本では一般的に入社後どうなったかというのがあまり語られていないね。」 と友人の石田 裕康氏(仮名、54歳)から指摘されました。

入社日に出社されなかった人の話を聞いたことがあります。 採用決定後体調を壊し健康診断書を提出し入社を辞退されました。 入社後たった5日で自己退社した人の話を聞いたことがあります。 その方はコンサルタントになんの相談もなく辞められたのでその後の採用者側との対応にそのコンサルタントは苦慮されたと聞きました。 入社後3ヶ月自己都合で退社された方もいます。 入社後の環境が入社前に聞いていたこととまるで違うというのがその理由でした。 これらの例では本人も大変ですが、貴重な時間を採用に使った採用側も投資した時間が無駄になりますし、その方を推薦したコンサルタントの努力も水泡となります。

松原 由紀夫氏 (仮名、35歳)を採用した和田 洋三郎氏 (仮名、51歳)から入社後まもなくコメントをもらいました。 「松原さんは仕事をエンジョイしていますよ」紹介いたしましたコンサルタントとしては「良かった」と感じました。 入社後1ヶ月もたたないうちに「松原さんは優秀だね」と和田氏よりいわれました。 採用側からの賛辞は「うれしい」の一言です。 今後の松原さんに対する和田氏のコメントが楽しみです。


No.33

「前向き」の姿勢と行動

2004年3月、大川 正彦氏(仮名、53歳、男性)は精力的な就職活動をされこのたび興味ある仕事にみごと就職されました。 一流商社の子会社の社長を歴任され米国でのご経験もありその後外資系メーカーのゼネラルマネジャー(事業部長)を経験された方です。 いかに精力的に活動されたか下記のデーターが物語っております。

大川氏が履歴書・職務経歴書を送った人材紹介会社の数: 172社
そのうち人材紹介会社のコンサルタントと面談した数:  52社(58名)
人材紹介会社経由で書類を提出したが採用企業の
書類選考で合格しなかった数: 19件
採用企業との面接が実現した数: 9件

自分の強み(経験・能力)はなにか?「売り」はなにか? 自分のキャリアゴールはなにか?をしっかりと把握しあとはすべて「前向き」の姿勢と行動が大川氏の就職の成功につながりました。


No.34

外人面接

豊田 克彦氏(仮名、56歳、男性)は求人側のスペックにぴったり適合した候補者でした。 採用側の日本人上級管理職との面接は無事おわり、採用決定は90%問題ないといわれ外人上級管理職との面接となりました。 結果は予想に反し不合格でした。 なぜだったのでしょうか? 豊田氏は全体的に面接中の会話、態度があまり積極的でない「受身」でした。 豊田氏の目は定まらず相手の目をみつめて話ができませんでした。 豊田氏は自分の権限の範囲を外人の面接官に聞きましたが自分でなにができるか、何をしようとするかを積極的に話しませんでした。

豊田氏の場合は外人面接で特にアピールがなかったので「積極性」を問われ、目をみて話さなかったので「自信」がないのではと思われ、自分の意見をいわなかったのでこの職責に「アイディア」や「情熱」が無いのではと判断されてしまいました。


No.35

早期退職優遇制度 (その2)

以前に早期退職優遇制度に関しヒントを出させていただきました。 次の職が決定していない前に楽天的な考え方で優遇制度に応募しないほうが良いというものでした。 わたしのその考え方は現在でも少しも変わっておりません。 

しかし早期退職優遇制度の会社側の適用も時代とともに随分変化してきています。それは早期退職を募るというのではなく一般的にいわれる「肩たたき」すなわち会社側から個別に退職勧告がありそれには会社側で割増退職金(早期退職勧奨を受諾することを前提に会社側から規定以外にお金を社員に支払うもの)を提供する場合も増えています。 社員の中にはそろそろ自分のところにその知らせが来るかもしれないという不安を抱えている方もいますし、また会社で自分の属している部門が閉鎖されるという知らせを突然受け取られた方もいます。

会社から明白な退職勧奨の通知あるいは面談等でヒントを人事の人または直属の上司より受け取った時、わたしはそれでも会社に「しがみつく」というのはお勧めしません。 一刻も早く次のチャンスにかけるほうが良いと思います。 転職活動を開始する意思決定をした場合は早期退職制度を利用できればそれにまさることはありません。 早く転職の準備をして次の職場が決定し前の会社の優遇制度を利用して割増退職金を受領したあと転職される方々も大勢います。 会社側では割増退職金には期限をもうけますから「いつまでに退職を」といわれた時にすでに次の就職先が決定しているのが理想です。 タイミングの良い転職には運も必要です。 どんな優秀な方でも適合する募集案件に出会わなければ6ヶ月以上かかることもまれではありません。

日頃から常にアンテナを高く、間口を広くしてどんな転職のチャンスがあるのか情報収集するのを強くお勧めします。 肩をたたかれてから、あるいは優遇制度の発表があってから行動をおこすのでは遅すぎます。  

参考: 早期退職優遇制度(その1)


No.36

「名刺」(その1)

面接時の最初の挨拶ですが、必ず名刺が交換されます。 そのときすでに前職を辞められた候補者の大半の方が「すみません。 名刺をもっていませんので、、、」という言葉から始まります。 採用側の方は「あ、結構です」といいますが、わたしはそのような場面に立ち会っていたとき川崎 昭氏(仮名 男性52歳)を思い出します。 川崎氏はすでに会社は退職されていましたが、自分の名刺を作られていて面接の挨拶のとき相手にわたしていました。 名前・住所・電話番号・携帯電話番号・FAX番号・イーメールのアドレスが印刷されたものでもちろん会社名はなくシンプルなものでしたが、外資系の企業を受けられるため外人面接も考えられ英文・和文の併記でした。 コストを考えられたのかもしれませんが表が和文、裏が英文というものでなく表に併記されていました。

面接で初対面の人と挨拶するときに名刺をもっていないことで最初から謝りの言葉でスタートするより、少しの投資で自分の名刺を作成しそれを差出して挨拶し面接をスタートできるほうがずっとビジネススタイルとしてもスマートだと思います。 求職活動に必要な履歴書、携帯電話、イーメールアドレスといった物とあわせてわたしは名刺の用意をお勧めします。


No.37

「名刺」 (その2)

東証1部の大企業、常務取締役人事部長にお会いした時です。 わたしが普段どおりに名刺をだして挨拶しますと、部長はわたしの名刺を両手で持ち、かるく頭を下げられ「いただきます。」といって笑顔で受取られました。 営業経験の長い私でもそのように丁寧な名刺の受け取り方をされたのは初めてでしたので驚きました。 人材紹介業である自分を卑下するわけではありませんが、業者の差しだした名刺をこのようなマナーで受取られる上級職の方は非常に少ないと思います。 もちろん私のその方の初印象は「うん、この方は優秀な出来る方だな」というものでした。

私が就職し営業部員をスタートした20歳代前半のころ、兄の会社に顔を出したところ兄の会社の営業部長に紹介してもらったことがあります。 面談がすみ部長の部屋をでたあとで兄から私の部長に対するマナーには「がっかりした」といわれました。 兄によればわたしの名刺の出し方、挨拶の仕方が「なっていない」と言う事でした。 会社によっては社員教育のなかで名刺の出し方、 受取り方まで教えるところがあるようですが、人との出会いどんな状況でも名刺交換のマナーは良くしたいものです。


No.38

3人の友達

長雨がやっと上がり秋晴れになった気持ちの良い日に皇居のお堀端にあるホテルである候補者の方にお会いしました。 ランチを食べる前に名刺の交換があり、まもなく上村 昭一氏(仮名、男性43歳)が話しはじめました。 上村氏は外資系企業の日本組織の社長をされている方ですが、米国で友人から聞いた話しで「企業の上級職の人には3人の友達が必要だ!」という言葉がありますがご存知ですかと笑顔で質問されました。「いえ存知あげません」と答えますとそれは一人目ヘッドハンター (人材紹介業のコンサルタント)二人目はセラピスト (療法士)三人目はローヤー (弁護士)だというのです。 失業して次の仕事を探す時必要なコンサルタント、過労で精神の調子がおかしくなった時のセラピスト、法律問題に巻き込まれた時の弁護士だという答えでした。「一人目に人材紹介業を挙げていただき光栄です」といいますと、同席していましたビジネス パトナーが注意してくれました。 「上村氏は社長をされるまえは大手のヘッドハンティング会社でシニアコンサルタントをなさっていました。」(笑い)


No.39

意志表示

それはヨーロッパ系 医療器具メーカーのコントローラーの案件でした。 西岡 敬之(仮名・男性43歳)氏、馬場 淳一郎(仮名・男性46歳)氏、橋元 一郎(仮名・男性・47歳)氏を推薦して本社からCEOとCFOが来日したときに面接が行われました。面接はオーソドックスのスタイルでしたが、連結決算の能力を懸念されたCFO(財務最高責任者)は簡単な数字を使って面接の中でクイズ形式のかたちで候補者の方に質問されました。

筆記試験と面接は別物と考えていました私にはこのクイズにはまいりました。 西岡氏、馬場氏とも結構答えを出すのに苦労されていました。橋元氏は2色のボールペンを使いこなし解答がやや早い時間にでました。 橋元氏はUSA CPAも合格されていましたのでやはり実力だなと感心しました。 ところが面接を終わり橋元氏が帰ったあとCFOに解答はどうだったかと聞きますと「間違い」と一言でいわれてしまいました。 後日この話を会計事務所の税理士の先生に聞きますと日本組織の経理の方は日本の数字を本国におくり、連結は本社で行われるので「連結」はあまり得意ではないといわれました。

面接を終わり西岡氏、馬場氏、橋元氏に個々にわたしはCEO、CFOとの面接の感想とこのポジションへの興味をお聞きしました。 三者とも「すごく魅力のある仕事です、是非よろしくお願いします。」という答えがすぐに返ってきました。 実はわたしはそこで不思議な感じをもちました。 というのは面接の中で三者ともに共通してその気持ち、意思表示が面接官に対してされていなかったからです。 私には良い笑顔で前向きなしっかりした言葉でポジションに対する興味をいってくれているのに、どうしてそれを面接の中であるいは面接の後半で挨拶をして立ち上がる前か後に面接者に対していってくれなかったのでしょうか? それは候補者から面接者への非常に強いメッセージだとわたしは信じています。 この「意思表示」が採用決定へのひとつの鍵です。


No.40

愛想の良い面接官

森崎 冬子(もりさき ふゆこ)さん(仮名・33歳女性)は面接にあたり堅く信じていたことがありました。 入社可能日と希望給与を聞かれるとその面接はかなり有望というものです。 もちろん森崎さんは違う場合があるともいっていましたが、今回の案件にはかなりの手ごたえがありました。 一次面接の外人、それは人当たりが良く話もはずみました。二次面接は日本人のゼネラルマネジャーも同じでした。 意地悪な質問もなく、仕事内容と仕事量が森崎さんの期待されるほどのものではないけれど「大丈夫ですか?」といわれたほどでした。 希望給与も自分の本当の希望より年俸で50万円少なく幅をもたせて答えました。 森崎さんの予想では面接後すぐにも合格の通知がきてもおかしくないというものでした。

ところがいくら待っても採用面接試験の結果がきませんでした。 まだなにも通知がありませんか? と問い合わせが森崎さんからコンサルタントに何回もきました。 しばらくたって知らせがきました。残念ながら不採用でした。 

同じ採用予定企業に栗本 千夏子(くりもと ちかこ)さん (仮名・41歳女性) を推薦しました。 栗本さんの英語の能力は非常に高いものでした。 栗本さんは応募する案件を厳しく選ぶタイプでした。 わたしは栗本さんが今回の案件にたいしてオーバークオリファイ(案件が要求する能力、経験より候補者の能力、経験のほうが高い)だと思っていました。

外人との1次面接の後に栗本さんから面接後のフィードバックがコンサルタントにありました。 森崎さんの場合とまったく同じでした。面接では話も弾み栗本さんは2次面接の日本人のゼネラルマネジャーとの2次面接を心待ちにしていました。 しかし結果は不採用でした。 1次面接をした外人が栗本さんに説明していた2次面接にも進めなかったのです。

面接で意地悪の質問ばかりする、話もかみ合わない「冷たい風」が吹き抜けるような面接も困りますが、明日にも採用決定というような面接をして不採用を決定する今回のような面接も本当に迷惑です。 応募者が会社に悪感情をもたないように面接官は愛想よくしていると想像できますが、これでは逆効果です。


No.41

和知 晃 (わち あきら)氏(仮名、男性43歳)はある企業の面接を受けていました。人材紹介コンサルタントの中尾 省吾 (なかお しょうご)氏(仮名、男性55歳)はその面接にオブザーバーとして同席していました。 中尾氏は面接で一番大事なのはダイアログ(対話)だと堅く信じています。 「面接の間一方的に話すのでは面接に成功しない。また面接を受ける立場であったら一方的に聞くだけでは面接には合格しない。」ということでした。和知氏は面接が始まってからダイアログを大切にした感じで話す、聞くのバランスはよいと感じていました。 丸いテーブルを企業の方が二人と和知氏、中尾氏の4人で囲んでいました。 話がうまく展開していると中尾氏が感じていた時です。企業の方が話している最中に和知氏はふと思いついたように立ち上がるとテーブルにあった飲料水のボトルをとると企業の二人のコップに水を、また中尾氏のコップ自分のコップにビールでも注ぐような感じで注いで、その後水を飲みました。

中尾コンサルタントは面接の時、和知氏が足を組んだのにも気になりましたがこの水を注いだ行為も気になりました。 折角面接で会話が上手く運んでいるのにどうしてそれを邪魔する行為をするのだろうかと感じました。面接の後で中尾コンサルタントは和知氏にどうして水を注いだのか聞きました。和知氏は「水が飲みたかった」といいました。 中尾コンサルタントは「貴方は面接で主役なのだから面接中はどっしりと構えていればよく、次回同じような場面では合図をくれれば、水は同席していた私が注ぎますから」といいました。 ダイアログには良いマナーも必要だと感じた一場面でした。


No.42

プライド(その1)

小出 稔(こいで みのる)氏(仮名、男性、55歳)は外資系、消費財輸入販売業の日本組織の社長です。 若くして起業し成功体験をもっているため、ビジネスマンの生き方に自分の明確な意見をもっている方でした。 ある時小出氏は木村 保(きむら たもつ)氏(仮名、男性、45歳)を候補者として面接しました。 木村氏は前の会社を早期退職優遇制度を利用して辞職し求職中でした。

小出氏は木村氏にどうして勤務していた会社を辞めたのか質問しました。木村氏の答えは「上司と意見が合わなくて」というものでした。その答えを聞くと小出氏は上司と意見が合わないという理由で会社を辞めてはいけないと面接中にもかかわらず木村氏に躊躇なくいいました。「プライド」を守るために会社を辞めてはいけない。そばで聞いていました私は、少し変だなと思いながら聞いていました。木村氏は私と違い温厚な人でしたので小出氏の話を黙って聞いていました。

小出氏は米国にいたときの体験談を話されました。あるビジネスマンが自身の「プライド」のため会社から支給されたストックオプションを行使したとき得られる利益約2億円と年俸2,000 万円をふいにした話をしました。それによるとそのビジネスマンは会社の退職勧告を受けて辞職していればそれを手にしたにもかかわらず、自分から辞職すると表明した為ふいにしたというものでした。 小出氏は英語の表現でPride will cost you.というと木村氏に説明しました。 プライドを守ろうとすると費用がかかると直訳するのでしょうか?

もしかしたらそのビジネスマンは2億2,000万円より大事な彼のプライドを守ったのではないでしょうか? しかし木村氏は小出氏に自分の意見をいわずだまって聞いていました。面接の結果木村氏は小出氏に採用されませんでしたが、あなたが候補者の木村氏の立場だったらどのように小出氏と相対したでしょうか? YesでもNoでも自分の考え方を明確に小出氏に伝えるのが正解ではないでしょうか? そこから対話はもっと奥のほうに進み発展するからです。


No.43

プライド(その2)

奥泉 良成(おくいずみ よしなり)氏(仮名、32歳、男性)からの2次面接後のフィードバックを待っていました。 奥泉氏に関しては人事部の面接後の評価、担当現場の課長からの面接後の評価といずれも高いものなのだったので、今日の部長との2時面接で無事採用決定だと予想していました。 予定時刻より少し早めの電話が奥泉氏よりありました。 私はいつものように「面接お疲れ様でした、いかがでしたか?」と聞きました。

「残念ながら駄目でした。」という意外な答えが奥泉さんから返ってきました。 2次面接の結果は後日人事部経由で通知があるのではという予想に反して面接直後に部長から「不採用」ということを直接聞いたと言うのです。 納得のいかないわたしは人事部に連絡をとりました。 人事部の担当者は私と同様にその結果に驚き部長に面接の評価を聞く事、採用に前向きであった担当現場の課長の意見も聞き相談することを約束していったん電話をきりました。

部長の2次面接の評価に納得できなかった現場担当の課長と人事担当者は、奥泉さんに同社で信頼の高い「取締役」の面接を受けてほしいという提案をしてきました。その取締役に最終判断をしてもらうというものでした。 わたしはその人事部の担当者の迅速な対応に感謝しつつ奥泉さんに「取締役」との3次面接を受ける事を勧めました。「チャンスをいただけるのは有り難いですし、面接を受ける事は問題ないですが、少し考えさせてください。」というのが奥泉さんの答えでした。

後日奥泉さんから「3次面接を辞退したい」という返事がきました。 それによると、もし3次面接に合格し採用されたとしても、2次面接をした部長の自分に対する評価は変わるものではないという考えでした。 入社後、努力されよい仕事をされて部長の評価が間違っていたことを証明すれば良いではないですか? という私の問いかけにも、部長が評価を変えるのには時間がかかり、そのために情熱をかけ、いつも部長の顔色をうかがいながら、仕事に努力、精進するのは価値が無い、それならいっそう新しい環境で頑張ると言うものでした。

わたしはそれ以上奥泉さんには3次面接を勧められませんでした。奥泉さんはその理由が理解できませんでしたが部長は面接の最初から非常に高圧的な態度で面接にのぞみ、まるで「君なんかにわが社のこの仕事ができるわけないだろう!」という感じだったということでした。人事部の担当者によると社内では部長は学歴偏重の傾向があるので、奥泉さんの学歴に偏見をもっていたからそのような態度がでたのかもしれないとのことでした。面接で奥泉さん(応募者)のプライドを傷つけた部長の態度と、どんな評価をしたとしてもその場で不採用といわれた部長の行為は会社にとっても大いにマイナスだと思いました。


No.44

面接でノートをとる、質問をする

米系医療器具メーカーでの面接がありました。 倉沢 稔(くらさわ みのる)氏(仮名、男性46歳)は面接にのぞみA4の紙をテーブルの上におき面接中にメモをとっていました。 黒沢氏の面接官との対話(ダイアログ)はペースが少しはやい感じでしたが、受け答えはポイントがよくカバーされていました。 一方的にしゃべりすぎず、かといって聞く時間が多すぎる感じはありませんでした。 その適度のバランスは岡本 秀人(おかもと ひでと)コンサルタント(仮名、男性55歳)が黒沢氏に面接前にアドバイスした、「面接では対話をこころがけてください。」というものに符合していました。 

黒沢氏の記録をとる行為は対話の邪魔になっていませんでした。 かえって要領よく記録をとる行為が、面接官の言葉を積極的に聞いている、ポイントを逃さないようにしている印象をもたらし、黒沢氏は仕事を正確に時間内に合理的に遂行するのではないかという推測をもたらしました。

面接での対話が終わり、面接官から「なにか質問がありますか?」 と聞かれました。 黒沢氏はテーブルの上において記録をとっていたA4の紙を裏返しにしました。 岡本コンサルタントは一瞬驚きました。 そこには黒沢氏の質問が列記されていたからです。 黒沢氏は採用側に対する質問事項を用意しメモにしてあったのです。

岡本コンサルタントは候補者の方に採用企業の面接官に必ず質問を用意するように依頼しますが、黒沢氏のような用意の仕方をした方は初めてでした。 しかも黒沢氏はいくつかの質問を用意し面接時間に合わせて一番重要で聞きたい質問から順番に聞いていきました。 質問の中味も濃いものばかりでした。 黒沢氏の採用企業と応募した職責の内容への質問は黒沢氏がいかにこの職責に強い興味をもっているか表していました。 面接官は黒沢氏が質問をいくつも用意したこと、また手際よく聞いていき答えの記録も残した事に好印象をもちました。 面接に同席した岡本コンサルタントは黒沢氏がこの面接に合格したことを確信していました。


No.45

覚悟を聞く質問

村田 博 (むらた ひろし)コンサルタント(仮名、男子、59歳)は面接の立ち会いで面接官のいくつもの質問を聞いていました。 その中に候補者の入社に関する覚悟の程を聞く質問に何回かであったことがありました。 「弊社は残業が多いけど大丈夫ですか?」のような質問は比較的答えるのはやさしいほうですが、 「あなたはスイスまで留学しMBAまで取得して現在日本の一流企業に勤務しているのに、弊社のような外資系の小さな立ち上げの企業でよいのでしょうか?」のような質問になると、どんな候補者であろうと一瞬どのように答えようか考えてしまいます。 それにもまして面接官が採用企業の上級職の方が一人だけでなく何人もの人達が同じような質問を候補者にしますと、候補者のほうが面接後、自分は間違った会社に入社しようとしているのだろうか? という疑問を持つ事もあります。 

村田コンサルタントは企業が採用したい候補者にはそのような無駄な質問はしてほしくないと日頃思っていました。 当然のことながら、その逆のケースで、採用企業の面接官が優秀な候補者を前にして実現不可能なことを候補者に説明、あるいは約束して入社後話が違うというケースも避けなければなりません。

ある企業で村田コンサルタントは候補者の面接に立ち会うことを遠慮するように言われました。 それぞれの企業での面接のスタイルがありますから村田はその提案をあまり気にはしませんでしたが、候補者からの面接後のフィードバックで面接官がどうして村田の同席なしを希望したのか判りました。 候補者の「覚悟を聞く」質問が面接でありました。

「どんな人でも、出来なければすぐ辞めてもらう」ということを面接官が面接中に何度も言ったとのことでした。 また「とても忙しいけれどそれでも泣き言をいわないか?」ということを「休日出勤もあるし、仕事を家に持ち帰ってしてもらうことがある」と説明のうえ質問されました。あなたはこのような面接者の「覚悟を聞く」質問を軽く跳ね返すような強い意志をもって入社希望を断固として表明できますか? それとも応募を辞退しますか?


No.46

果報は寝て待て(その1)

転職活動では「待つこと」の連続といっても過言では無いとおもいます。 現職でヘッドハンティングされる場合でも同様です。「待つこと」とは次のようなことです。

1) 書類選考の結果を待つ。

2)1次面接の結果を待つ。

3) 2次面接の日程調整を待つ。

4) 2次面接の結果を待つ。

5) オファーレター(採用企業からの条件提示)を待つ。

6) 採用条件をそのまま受諾しないで希望を表明し交渉した場合は、その結果を待つ。

田原 茂 (仮名、男性、35歳)氏は、1次面接が1月18日に実施されました。 そして2次面接が1月24日にありました。 そこまでは「待つこと」はなかったのですが、その後の「待つこと」が長く続きました。 その間ヘッドハンターからは「採用企業が多忙で返事がないので、もう少し待って下さい。」との「ひたすらお願い」だけでした。 いつまで待てばいいのですか? という質問にも明解な回答はありませんでした。採用内定通知が出たのがなんと3月22日でした。 57日間も待ち続けました。 

「待つこと」の間、田原氏はいろいろ考えました。 採用企業は他の候補者にあっているのだろう。 時間がかかっているのは自分の採用には企業の興味がないのだろう。 自分は「明日にでも採用」という成績を面接で得られなかったのだろう。 落とすのには惜しい候補者なのでキープしておきたいと思っているのではないだろうか? 「待つこと」の長さに田原氏はだんだん「腹が立ってきた」のが正直な気持ちでした。 なんてマナーのない、候補者のことを考えない企業だろうか、たとえ縁があって入社してもその後の勤務は大丈夫だろうか?という疑問も生じました。

3月22日内定が出ましたがその時ヘッドハンターからは、正式なオファーレターは1〜2週間後に出しますと言われました。 しかしオファーレターが実際出ましたのは4月12日でした。それは22日間かかり1次面接から最終オファーレターが出されるまで合計79日かかりました。 もしあなたが田原氏でしたら79日間待てますか?

田原氏はオファーレターに応諾のサインをしました。 採用企業の取締役と笑顔で握手しました。 ヘッドハンターは田原氏の忍耐強さが今回の転職の成功の原因だと思いました。 今回の例は特例とは思いますが、転職にあたり「待つ」場合はいろいろ考えずに(特に悪いほうには考えずに) 「果報は寝て待て」の作戦も有効だとお勧め致します。


No.47

果報は寝て待て(その2)

採用企業が候補者を待たせる理由にはいろいろありますが、採用企業側の都合により意思決定が遅れる場合があります。 その理由を候補者にまたあいだに入った人材紹介業者やヘッドハンターに説明しない場合があります。 そのときは理由がわからないまま候補者は待たなくてはいけないので、いろいろ心配することになります。 そこで「果報は寝て待て」のアドバイスが必要となります。 理由をいくつか紹介しましょう。

1. 採用凍結 (ハイヤリング フリーズ)

採用企業側の営業成績不振等で経費節減のため、採用凍結が実施される場合があります。このとき採用側が「今回は採用見送りとなりました」と知らせてくれればよいのですが、候補者が優秀な方で採用側はどうしても採用したいため、凍結期間がとけるまで候補者を待たせることがあります。

2. 本社CEOの反対

外資系の企業が上級職を採用する場合に海外の本社のCEOや上級職に候補者の面接を依頼することがあります。 そこで日本の組織の社長、部門長、人事部長が採用したい候補者なのに本社の人が反対する場合があります。 そこで日本の社長が本社の上級職にこの候補者を絶対採用したいなどと交渉し説得を試みている場合は時間がかかります。 その間候補者は理由を伝えられないまま待たされることになります。

3. 「複数の候補者に会いたい」

社長があるいは本社の社長が面接するさい、採用担当者の予想に反して「最終候補者一人だけでなく複数の候補者に会いたいその中から選択したい」といわれたときは、複数の候補者をそろえなくてはならず、時間がかかります。 採用活動が始まったばかりで面接がなされ、最終候補に残る候補者は最初の面接から最終面接までにかなりの期間またなくてはなりません。 特に上級職や専門性の高い職責の場合は短期間で優秀な候補者を何人も簡単にはそろえられませんから、どうしても時間がかかります。

4. 信用調査

最近は個人秘密情報の厳守の主旨から、外部調査会社が就職の際の採否を決定するような候補者の信用調査の仕事を受諾しなくなってきています。しかし採用企業によっては内密に最終候補者の信用調査をしているところもあります。これも候補者には内密ですから、理由を告げられずに長く待たされる理由のひとつとして考えられます。

以上、紹介しました事例以外に採用側から候補者に理由をいえないで時間がかかることが多数あります。 そこで繰り返しになりますが、採用側から返答を待つ間候補者は悪いことは考えないで「果報は寝て待て」作戦で待たれることをお勧めします。


No.48

もしかぶくろ

私は保坂 登(ほさか のぼる)氏 (仮名、46歳、男性)とホテルのラウンジで面談中でした。 ある外資系企業のマーケティングマネジャー(部長)の募集案件を説明していました。 保坂氏は私が用意した簡単なメモを基に経験・能力・望まれる人物像を説明していますと理解しているというふうに黙って聞いていました。 そして、 わたしの説明が一段落すると「ところでこの採用企業は年俸いくらぐらい支払うといっているのですか?」と質問されました。 「年俸はご相談になると思いますが、予算はこれぐらいでそれ以上だすのはご無理のようです。」とわたしは採用企業の年俸予算を明確に答えました。それは保坂氏の誤解を招くような解答はしてはいけないと思ったからでした。

保坂氏は顔をあげて笑顔で私を見ました。「もしかぶくろ」という言葉を聞いた事がありますか? と聞かれました。 「もしかぶくろ」ですか? わたしは思わず聞きなおしました。 保坂氏は「これは旧ソ連時代のソ連駐在員の話ですが」と説明を始めました。旧ソ連の時代は街を歩いていて、人が列をなしているのを見つけると黙って列の最後尾にならんだのだそうです。 それは列の最前部になにがあるか判らないのですが、とにかく列にならび、あとでそれがジャガイモの販売だったり、その他日用品の販売だったりするのが判るのです。 

街じゅうに食料品をはじめ日用品が極端に不足している時代の生きる術としてとにかく街で列を見つけるとならびました。 そのとき入手したものを入れ、持ち運ぶ袋が「もしかぶくろ」と呼ばれていました。 駐在員は毎日外出する時に列にならび「もしかしたら入手できるものを入れる袋」を用意していたというものです。

そこで保坂氏は話を募集案件に戻しました。 私の説明した募集案件の候補者の経験・能力そして望まれる人物像は非常に高いスペックで、東京の人材市場にそれに該当する候補者は何人もいない、その上採用企業の用意している年俸が安すぎる。 それだけの人ならすでに年俸は採用企業の予算の20%から30%高額の年俸を取得しているのではないか? というものでした。

保坂氏はもしかしたら探す事ができるという期待で候補者をさがすヘッドハンターを旧ソ連時代の「もしかぶくろ」をカバンにいれて持ち歩いている商社マンにたとえていたのでした。 景気が上向きで若年層は就職氷河期を終え「内定」を複数の企業から獲得した新卒の話題が新聞にでていますが、中途採用に関してはまだ「買い手市場」で、高い要求度にもかかわらず、低い給与の募集案件が多数あることを実感しています。


No.49

外資系企業 (その2)「初印象」

日本の一流企業メーカーから外資系企業、メーカーにヘッドハンティングされ入社された塩谷 勝さん(仮名、男性30歳)から外資系入社後まもなく「初印象」を聞かせてもらいました。 コメントは次のようなものでした。

外資系での社員間の人間関係は日系企業と比較するとうすい。
外資系の社員はドライな交際になれている。
入社した外資系企業では、仕事での人(社員)のまとまりがなく、社員が個別に違った方向に動いている感じがする。

日本企業にいた時は残業代が支払われなくサービス残業であったが、今度の会社は残業代を支払ってくれる。
日本企業にいた時は有給休暇がとりにくかったが今度の会社は周囲に気兼ねなく取得できる。
日本企業にいたときは上司や同僚が遅くまで残業していたとき、自分だけ早く帰宅することは許されない雰囲気であったが今度の会社では自分の意志で帰られる。

上記のことは塩谷さんの経験、初印象です。全ての外資系企業に当てはまるのではないのですが、読者の中で同意される点もあると思い一例として紹介させていただきました。


No.50

カタカナ語の勉強(その1)

米国から1年間日本に留学しているアンディ(仮名、男性22歳、米国人)は日本語を大学で勉強しています。 ひらがな、カタカナ、漢字を勉強していますが、日本の新聞はまだ辞書なしでは読むのが大変だということです。われわれ日本人が英語を勉強しているのと似ています。

大学では「カタカナ語」を勉強しています。 日本人の先生から発音を厳しく注意されています。 News ではありません「ニュース」です・・・とよく先生から注意されるとアンディは笑って説明してくれました。われわれ日本人が英語の先生から「ニュース」ではありませんNewsです・・・と注意される逆です。

日本人がカタカナで表す言葉を欧米人に話す時、発音がうまくいかず「エ!、ナンノコト?」と聞きなおされることがよくありますが、先日、われわれ日本人は彼女のことをマリリン・モンローといいます。 といったところアンディは私の真似をしてマリリン・モンローと発音しにくそうに、笑いながら Marilyn Monroe に近い発音でいいました。 日本人の発音が苦手の「R」「L」「TH」は厄介なものです。 しかし発音が間違っていれば相手には意味が通じません。

サッカー日本代表監督に就任したオシム監督の発音はオシムでなくオスィムだという記事を読んだことがありますが、発音を軽視せず、できるだけ本物の発音にこころがけたいものです。


No.51

転職は3社以内

企業より求人要項が発信されます。 企業の人事の方のスタイルでいろいろな形で提示されますが、主要なものは職責、職務内容のほかに、能力、経験、資格そして望まれる人物像等があります。 企業によっては「候補者は転職3社以内の方をお願いします」という要望があります。 また企業によってはその転職の中の1社の勤務年数を2年以上が望ましい。しかし会社が倒産した場合は除くと丁寧に表現されているのもあります。

転職回数の多い方は、会社側の問題というより候補者本人に問題があるのではないかと推察されます。 候補者は仕事にすぐ飽きる人ではないか、何事にも我慢が出来ない人ではないか、人間関係がうまく構築できない、チームプレーの苦手な人ではないか、コミュニケーションのとり方に問題があるのではないか等が推察され、最後にはこの候補者は職場を転々とするジョブ ホッパーではないかとレッテルを貼られてしまいます。

金融業界で自分の重要顧客(富裕層)を多数抱えていて、転職して会社を変わってもその重要顧客を個人の力で保持して取引を継続できる方がいます。 そのような場合転職回数は問題にならないようですが、一般のビジネスマン、オフィスレディーの場合、転職回数が次の就職に不利になる場合もあることを認識するべきだと思います。

はからずも、転職回数が多くなってしまった方は面接の時どのような経緯で転職したか、弁解がましくなく明解に説明する必要があるでしょう。 職務経歴書に転職した会社ごとに、転職理由を記載されている方がおられますが、私はそれを面接時に口頭で説明されたほうが適切ではないかと思います。 記載された文章は人により解釈が違い誤解を生む可能性があるからです。


No.52

履歴書・職務経歴書への添付写真

米国では履歴書、職務経歴書に候補者の写真添付は要求されません。「採用側が要求してはいけないことになっています」 求人案件に年齢、性別、人種を問わないのが原則の国です。 日本でも現在はPCで作成された書類にデジタル写真を添付されている候補者もいますが、大半は写真の添付はありません。

橋本コンサルタント(仮名、男性55歳)は履歴書に添付されている写真をみて美しい人だなと思いました。 営業部でのアシスタントの求人案件で応募された候補者でした。以前結婚のための「お見合い写真」も一流学校の「入学願書の写真」もやはり見栄えの良い写真となると某有名デパートの写真部で撮影してもらい高い技術で修正してもらう事例など聞いたことがありましたので、この写真もそのようなところで撮影されたのかなと思いました。

採用担当者が写真をみて期待していたのと、候補者と面接してみて違った印象を持つのでは美しく撮れている写真は逆効果ではないだろうか? と横からその写真を覗き込んでいた谷川コンサルタント(仮名、男性44歳)が言いました。 橋本コンサルタントは候補者の考えでこの写真を添付しているのでコンサルタントとして候補者に余計なことは言わないでいいのではないかとアドバイスしました。


No.53

納品書

橋本コンサルタント(仮名、男性55歳)は採用が無事決定した小宮 俊郎氏(仮名、男性、51歳)のための激励会で飲食をともにしていました。 小宮氏は大企業で財務経理の管理職の仕事を長年していましたが、会社の合理化が完了してその会社を辞職していました。 その次に就職したのは中小企業でした、ワンマン社長のあまりの経営のひどさに入社後3ヶ月という短い期間で退職しました。 小宮氏本人もこの早い決断には勇気が必要でしたが、小宮氏の奥様はこの早い変化についていけず驚いていました。

小宮氏の奥様は次の就職先が決まっていないのに辞められた小宮氏に不満をいだいていました。 就職活動が6ヶ月にもなり就職先が決まらないと奥様のイライラする態度が始まり小宮氏は少し焦りを感じました。 そのとき橋本コンサルタントの紹介した求人案件に応募されました。 その案件は地方の企業の案件でしたが、小宮氏の行動は迅速でした。応募を決められ、面接をしたその足で住居の候補を探しました。

採用決定後、奥様をその住居に案内しましたが、奥様は「私の住める街ではない」といわれ、単身赴任を決められました。 橋本は知人から小宮氏が優秀な人であることは聞いていましたが、案件に対する考え方、適切な行動、意思決定の早さに感心していました。 小宮氏はユーモアのセンスも持たれていました。 橋本コンサルタントは小宮氏に予定どおり、出社されたら橋本に連絡をくださいと依頼しました。その企業に人材紹介報酬料の請求書を提出するためでした。

小宮氏は笑いながら「納品書のお届けですね、了解しました。」と答えました。 
採用決定から入社日まで一般的にはある期間がかかりコンサルタントにとっては「予定どおり、本日から出社しました」のお知らせは有り難いものです。


No.54

約束の時間

あなたは午後4時の待ち合わせの約束があった時、何時に現場に行きますか?

10分から15分前、5分前、ぴったり、5分過ぎ、15分過ぎまでには、などと人によっていろいろなスタイルがあります。 私の知人では、約束の時間に決して遅れない人、毎回7分遅れてくる人、いつも人との約束の時間に遅れる人で、ある時5分前に現場についたら「5分も早く着いちゃったよ。」と文句をいった人もいました。

橋本コンサルタント(仮名、55歳男性)は早坂あずみ さん(仮名、29歳女性)を知人から紹介されました。 略歴をお聞きしその学歴、職歴から担当している求人案件の候補者として是非面談したいと思いました。 次のような経過で早坂さんとは会うことができました。

1. 橋本コンサルタントが面談希望のイーメールを早坂さんに出しました。返事がありませんでした。
2. 1週間後に橋本はフォローアップのイーメールを出しました。
3. メールの返事はありませんでしたが、次の日の朝に早坂さんから橋本に「今日会いたい」と電話がありました。
4. 午後4時の約束をしました。橋本は現場に10分前に行きまっていました。
5. 午後4時に早坂さんから電話がありました。 「20分遅れる」という連絡でした。
6. 橋本は「お待ちしています。」と答えました。
7 午後4時20分に電話がありました。「道に迷ったのであと15分遅れます。」という連絡でした。
8. 早坂さんが現場に現れたのは結局午後4時45分でした。

橋本は早坂さんとの面談し求人案件を説明するまえに、早坂さんを求人企業の人事の方に紹介してよいかどうか疑問を持ちました。 あなたが橋本コンサルタントだったとするとどうしますか? 橋本は次のようなアドバイスを考えていました。

A 最初から無理な時間で約束しない。(タイトスケジュールをできたら避ける。)
B 自分の時間管理能力を過信しない。(自分のフットワークはそれほど軽くない。)
C 不測の事態で遅れる時は先方に早めに連絡する。(悪いニュースは早く知らせる。)
D 約束の時間を当日何回も変更しない。 不測の事態、遅刻の失礼を詫び、別の日でアポイントメントを改めて取る。

早坂さんはこのアドバイスを聞くでしょうか?


No.55

給与は明快かつ柔軟に・・・ (その2)

求人側との給与の件の話し合いはヒントNO.9で言及しておりますが、次の3例をヒントとして追加したいと思います。 いずれも実際にあったことを基にしています。

(1) 手当てを含めて年俸の実績を伝える。

畑中博之氏(仮名、男性32歳)は営業職です。一次面接の前に人材コンサルタントに年俸は620万円だと話していました。 そのコンサルタントは求人側にその年俸を伝えていました。二次面接までいった段階でその620万円には手当てが入っていなかった事が判明しました。 畑中氏の実績は手当てを含めて690万円あり源泉徴収票で証明できる金額でした。しかし求人側から条件提示があったのは実績の690万円でなく最初に情報として伝えた620万円を基にしたものでした。そこで畑中氏は実績より低い額を提示されてしまいました。 求人側から年俸を聞かれた場合は手当ても、インセンティブ(業績賞与)もすべて含んだ額で話しをすればこの問題は避けることができます。

(2) 一次面接の後、昇給した場合はそれを伝える。

奥村 恵氏 (仮名、女性34歳)はマーケティングのジュニアマネジャーです。一次面接の時の年俸(固定)は710万円でした。その時の推定ボーナスは105万円でした。そこで理論年俸として815万円を求人企業に伝えてありました。 二次面接までに奥村氏の事情により長い時間が経過していました。 二次面接を無事終了して採用企業が条件提示する段階で奥村氏が一次面接の後マネジャーに昇進され年俸が760万円、その時の推定ボーナスが155万円と915万円になっているのが判明しました。 しかし求人企業の条件提示は一次面接の時の815万円を基にしていましたので奥村氏の希望とは大きなギャップが生まれてしまいました。 求人企業は急には予算を変更できませんので奥村氏を採用できませんでした。 面接過程で昇進、昇給した場合候補者は求人側にそれを伝えることが必要になります。

(3) 希望年俸を最初から正直に言う。

齋藤 茂氏 (仮名、男性37歳)はエンジニアです。 一次面接の時に求人側から希望年俸を聞かれました。その時850万円を希望しました。しかし齋藤氏は正直いえばもう少し高額を希望していました。 二次面接の時でした求人側から再度希望年俸を聞かれました。

チャンスだと思った齋藤氏は1,000万円以上と答えました。齋藤氏は無事2次面接も合格したのですが提示された条件は一次面接のときの希望金額にすこし上乗せされた金額だったのです。 齋藤氏はエージェントを通じて年俸の増額を希望し交渉しましたが、採用側の一次面接に出席していた上級職の方は齋藤氏が最初に850万円希望と表明した事実に固執して交渉は実りませんでした。 年俸希望は最初から正直に言うのが大切です。


No.56

退職願いの受理を拒否されたら

次の会社に採用が決まったら、今の会社を問題なく辞めたいのですが、退職願いを出しても直属の上司が辞表を受け取らない場合があります。上司は「部下の将来のことを思って」いるのか、「自分の評価、成績を思って」いるのか、仕事のことを考えて「今辞められると後が大変だ」と思っていることが多く見受けられます。

「飛ぶ鳥後を濁さず」を目標とすると上司とは喧嘩別れはしたくありません。業界は狭いですし、世の中思っているより狭いですから評判をおとすようなことはできません。だからといって予定入社日に次の会社に入社しないと多くの人に迷惑をかけることになります。

では法律的にはこの問題はどうなのでしょうか? 多くの企業は就業規則で退職手続きを定めていますのでそれに従うことが一番です。それに従ってもなお上司が退職願いを受理しない場合はどうなのでしょうか。民法627条は「当事者が雇用期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約を申しいれられる。雇用は解約申し入れの日から二週間を経過することで終了する。」と規定しています。しかしこれを使うのは最後の手段です。

人事部の人に以前聞いたことですが、直属の上司が退職願いを受理しない場合は、人事部に退職の意思を直接伝え、退職願いの受理をことわられ翻意を促されている事を説明する。そして自分の辞意の意思は固く上司の説得には応じないつもりであることを説明するのがいい方法だということです。 多くの場合人事部はその説明をうけて上司にその旨を伝え退職願いを受理するように勧めます。それは法廷で争ったとしても多数のケースで企業側が負けるからです。

退職金の不払いや源泉徴収票など必要書類を会社から受けられないようなトラブルを避けるためにも感情的になることを避け、粘り強く交渉して円満退社をしましょう。


No.57

面接官の職責

面接後のフィードバックをある候補者の方からいただいた時の話です。 その候補者の方は、面接官が誰だったか、何の職責(職位)か不明のまま面接を受けた様子でした。 わたしは面接結果を懸念しました。 

相手が二人いる場合どちらが人事の採用の窓口で、どちらが求人案件の現場の責任者か不明のままですと質問を受けた時の答えが的確でないかも知れません。求人案件にある能力・経験の質問である時、現場の責任者あるいは同僚になる方が面接官で質問した場合、詳細な答えを求めている場合もあります。 それを人事の方に答えるように一般論で専門用語も使わず実際の事例にもふれずに答えていると、現場の方からすると物足りない答えになっている可能性もあります。逆にあまり現場のことを知らない、経験の少ない人事の面接官に難しい専門用語を駆使して答えても相手が理解できない場合が生じます。

求人企業と自分の間に人材紹介業者が入っている場合、どなたが面接官か名前、職責(職位)を面接の前に聞いておくことをお勧めします。もし事前にそれが不明だった場合は面接の最初に自己紹介をしたとき、相手の名前と職責を聞くようにしましょう。その最初の挨拶が上手くできていると次に続く面接に有益です。

面接官が複数だった場合、誰が責任者で採用決定権があるか推察できその人に焦点をあて質疑応答をするくらいの余裕が欲しいです。もちろん面接官の中で一番若く見える人が責任者の場合もありますので、歳で判断するのは危険です。 あくまでも一般論ですが、最近は人事マネジャーより求人現場のマネジャーやスタッフのほうが採用権限をもっているケースが多いです。 候補者の人物、お人柄というより経験、能力を重視している求人案件には面接の時、現場のマネジャーやスタッフとのコミュニケーション、その面接官への経験・能力に関するアピールが重要です。 それができないと採用には至りません。


No.58

入社時期(辞職時期)の調整

面接時に求人側は候補者に対して年俸の希望額とおなじく入社可能時期の質問をし答えを聞きます。

普通の企業は辞表を提出してから1ヶ月後辞職というのが多いので、求人側はその答えを期待しています。 候補者が優秀な方で、求人側が少しぐらいの期間なら候補者に正当な理由があれば入社次期がずれても待つという決定をする場合もあります。

しかし候補者に明確な理由がなく入社時期が期待した時期より遅い日時を候補者が答えた場合は問題となります。 求人側が即戦力を必要としてその候補者の入社可能時期まで待てる余裕が無い場合は、すぐに入社可能の候補者を選択し採用決定する場合もあります。

また候補者の態度が明確でないと、会社に何らかの理由で応募はしたが、本当は入社の意思がないのではないか、あるいは他の会社にも応募していてその結果を待ちたいので入社時期を遅らせているのではないかと推測される場合もあります。

あるヨーロッパ系の企業の上級職の方で現在勤務している会社に入社する時、辞職する時は6ヶ月まえに申し出るという契約を交わしていた人がいます。 この方は転職活動をするとき、それを事前に人材紹介業のコンサルタントに言う必要がありました。 面接の段階、選考の途中で6ヶ月間は入社できないという話が急に出たので採用側は対応に困りました。

3ヶ月とか6ヶ月とかの契約の場合は、契約内容を良く調べ、その企業で辞職した人の過去実績を調べてみることも大切です。 必ずしも辞表提出後3ヶ月後、6ヶ月後で辞職しないでもっと早い時期で辞職している場合もあるからです。 この3ヶ月、6ヶ月というのは会社側から希望して社員に辞職してもらうとき、すぐに会社を辞職しても辞職後3ヶ月間あるいは6ヶ月間の給与支払いを会社が保証するという意味をもつ契約もあるからです。


No.59

財務諸表を読む

橋口 正 (はしぐち ただし)氏 (仮名、男性48歳、財務経理)は面接の前に気になっていることがひとつありました。 求人会社の米国本社の財務諸表をインターネットのホームページより読み勉強したところ、売上高は上がっているのですがそれに比較して利益が上がっていません。 いわゆる赤字、債務超過の経営状態でした。

人材紹介コンサルタントの橋本(仮名、男性、55歳)からはそのことを情報として教えてもらっていませんでした。 そこで橋口氏は債務超過の企業には勤務したくないと思っていましたので橋本にその懸念材料を話しました。 橋本コンサルタントは立ち上げの企業で初期投資の時期なので販売額を上げるために投資している、その理由で利益は上がっていないと説明しました。 しかし橋本コンサルタントは橋口氏が求人会社の上級職と面接で会うのでその利益が上がっていない理由を聞かれたらどうですかと勧めました。

橋口氏は面接でなにか質問があるかと面接官から聞かれたので、その質問をしました。 面接官の答えは推定どおり企業が新規の市場で立ち上げ時期であることを理由に販売額を上げることを優先していて利益が上がっていないことを説明しました。

面接では橋口氏の経験、能力を面接官が期待している通り十分説明できました。 人材コンサルタントの橋本からは面接官の橋口氏への評価が高かったことのフィードバックがありました。 しかし橋口氏はその会社に入社するかどうか迷っていました。

1. このケースでは人材コンサルタントが説明していない求人企業の財務諸表を候補者の橋口氏はインターネットで面接前に勉強していますが、これは重要な事です。
2. 橋口氏は懸念材料である利益が出ていないことを面接官に質問していますが、これは面接官にとっては候補者が前もって財務諸表を読んで勉強している、この求人案件を真剣に考えている、ということが評価されます。
3. その企業の問題点を財務諸表から的確に指摘していることで候補者の分析能力が評価されます。また質問の仕方でコミュニケーション能力が評価されます。
4. マイナス面として候補者がその債務超過の理由を面接官から説明を聞いた後でも、懸念が残っている様子だと、この候補者は保守的で立ち上げ企業で先行き不透明の企業経営参加には適合しないのではないかと判断されることです。
5. しかし橋口氏が勤務したい企業に入社することが第一優先です。 正直に懸念材料を面接官に質問して納得いくまで話すということが最重要です。 納得がいかなかった場合は入社を辞退することが考えられます。

No.60

漢字の読みテスト

最近は新卒、第二新卒と若い方を求めている企業が多いですが、採用時、面接試験のほか適性検査や筆記試験が多く行われています。 弊社の顧客の例を紹介致します。 その企業は面接のほか「漢字の読みテスト」を営業職の応募候補者に行いました。 出題は20問で漢字は中学、高校、大学でおのおの学ぶようなものを混ぜてあります。

20名の候補者がその試験を受けましたが、さあ平均点は何点だったと思いますか? 私は漢字の読み方だから75点ぐらいは取れるのではないか?と思っていました。 結果は平均点50点でした。最低得点の候補者は20点でした、20問中4問しか読めませんでした。

私は年齢が若く求人会社から引っ張りだこ「売り手市場」であろうと安心しないでください。 求人会社は人の採用は大きな投資になりますので、すぐにでも人は欲しいのですがその選考には慎重です。また以前より時間をたっぷり使い一人でも多くの候補者の中から選ぼう、少しでも優秀な方を採用しようとしています。

「営業職は販売能力があるかどうかでしょう、漢字など読めなくても販売力がある人は大勢いますよ」とわたしは求人担当者にいいかけましたが、止めました。 「営業は製品を勉強しなくては売れない、勉強のためには参考資料を読まなくてはいけない。漢字が読めないようだと採用されても後で本人が苦労しますから・・・」と先にいわれてしまったからです。

毎日、漫画を読む、TVを楽しむのも良いですが新聞や本を読む習慣は学校を卒業してからも身に付けたいものです。


No.61

人となり・ 人柄

ある候補者と面談しました。 淺川 雄一 氏(仮名、男性47歳)は日系企業の財務経理の職責の方でした。 浅川氏が面談を始めてすぐに「採用企業が私の人となりを見ていただいて、それで気に入ったら採用していただければ・・・」といいました。 わたしは随分久しぶりに「人となり・(人柄)」という言葉を聞いた感じがしました。

求人案件には経験、能力、望まれる人物像というのがありますが、望まれる人物像には「リーダーシップの有る方」とか「コミュニケーション能力の有る方」とか、真に「人となり」というよりは仕事に向かう姿勢とか能力に関係したことが上げられています。

求人側の求める人の要件に出来るだけ適合する人物を推薦、紹介しようとする人材コンサルタントにとって「私の人柄を売り込んでください」といわれても非常に困難です。 ましてやお付き合いの短い候補者の人柄を面談で瞬時に判断することなどとてもできません。

浅川氏の気持ち、スタイルを全く否定する気持ちはありませんが、履歴書、職務経歴書に経験、能力を表記するところからはじまり、それにより面接が行われるのです。 そこで浅川氏はいままでの経験を出来るだけ具体的にコンサルタントに説明する必要があります。

コンサルタントはその情報と自分の担当している求人案件とどれだけ適合するか、候補者となりえるか判断するからです。またそれを基に推薦文も書き求人企業に提出します。

しかし浅川氏の言葉に気がつかされたこともありました。 現在の採用企業はお人柄の良し悪しより経験・能力をより重視して選考にあたっているという事実です。人事の窓口もコンサルタントもその詳細な案件概要(スペック)ばかり気にしており、それと候補者が適合するかしないかを重視して「お人柄」は後回しになっているのではないかということでした。 リファレンスを取るという最終人物チェックも採用を内定してからかなり形式的に行われているという事実です。


No.62

相性 (ケミストリー/Chemistry)

採用決定にいたるまでいろいろな困難なことがありますが、エージェント(人材紹介業コンサルタントまたは上級職紹介ヘッドハンター)にとっても一番不可解な問題はこの「相性」というものです。

こんなに優秀な候補者で、求人側の要求にピッタリ適合し面接でも良い結果をのこしているのに「採用」に至らない。こんな時に考えられる不採用の理由の一つとして予想されるのが「相性」です。 一つの事例を紹介します。

藤田 正 社長 (仮名、男性 53歳)は営業部員を2名採用しようとしていました。 書類選考、適性検査、1次面接、2次面接を忙しい時間をさいて勤勉に行っていました。 そして期限までに数十名の候補者の中から最終候補を4名に絞りました。 藤田氏は選考に関して本田 健一営業本部長 (仮名、男性 43歳)を関与させていました。 それは選考が社長の独断専横にならないように、特に直属の上司となる本部長の意見を聞くためでもありました。

いよいよ4名に絞られ成績の順位も決められましたが、最終決定で本田部長が社長に意見を述べました。 「成績1位の候補者は採用したくない」という意見でした。 優秀な候補者であることは認めるが、彼が部下になった場合上手く行かないのではないかという推測でした。 学歴もまた職歴も部長と非常に似ていて考え方も似ているというのです、最初のうちは上手くいくかも知れないが、数ヵ月後にはお互いの意見が衝突する、それは営業部の他のメンバーにたいする影響もありよくないというものでした。

藤田社長は成績1位の候補者を不採用にするのはおしい気持ちもありましたが、営業の責任者がそういうのであればと部長に同意して不採用としました。 社長には部長が自分の意見を正直に話してくれた、それを大切にしようという判断もありました。

これも「相性」の一つの例です。 英語では「彼とはケミストリーが会わない」といいますが、肌があわないというこの問題は万国共通でしょうか。 当然上記の例の場合、候補者もエージェントも不採用の結果に驚きました、再考を藤田社長に強く求めてきました。この例では不採用になった場合、候補者は自分の経験、能力また人間性が否定されたと思ってはいけないということがいえます。


No.63

顧客の目線

現在、医療材料の外資系輸入販売会社で社長をされている藤田 茂夫氏(仮名、男性、53歳)よりメールをいただきました。 私は転職のヒントを人材紹介業のコンサルタントとして候補者にまた求人会社の人事の方に転職の時のワンポイントアドバイスとして書かせていただいていますが、今回藤田氏からは、コンサルタントからアプローチされた候補者の立場から貴重なご意見をいただきました。以下原文から藤田氏からのヒントをご紹介いたします。

先ほど、あるヘッドハンターから2年ぶりに電話がありました。彼との会話から感じることがあったので、このメールを送ります。

彼の用件は、ある医療コンサルタント会社が、医療現場を経験した企業出身者を社長で迎えたいというものでした。 私の経歴が、それにピッタリ適合すること、そして2年ほど前に私が病院在籍のおりに、「病院経験を活かした仕事があれば紹介して欲しい」と彼に依頼したことを覚えていて、どうでしょうかという打診でした。 私は既に病院を辞めており現在医療材料輸入販売会社の社長職であることを説明して断りました。

しかしコンサルタントは、あきらめずになかなか電話を切りませんでした。実は彼と2年前に面談しています。 彼は日本の金融会社のマネジャーポジションの紹介を私にしました。 私の履歴書に米国の大学での財務経理の単位取得を記述しているのを理由に、私にそのポジションを勧めました。 私は彼の提案を聞き詳しい内容を聞くのが目的で彼の事務所を訪ねました。 金融会社の説明と職責を聞き、あまりに自分の経歴とかけ離れていたので「難しい」と断わりました。 すると彼は、もはや私に興味が無くなったのか、まるで、すぐ帰れと言わんばかりの態度をとりました。

その時の面談は会ってから数分しか経ってないことや、せっかく事務所に彼を訪ねましたので私のPRもついでにと考えて、医療現場を活かした仕事があったら紹介して欲しいと依頼しました。 しかし彼は私の話にほとんど興味を示さないような態度でした。 この時の彼の態度を鮮明に覚えていましたので、今回の彼からの電話には、頭から聞く耳を持たない対応を私はしていました。

しかし、彼との2度にわたる接触で教訓が浮かびました。「ヘッドハンターの見分け方」も、職探しの人達にとって重要なポイントであるということです。そのヘッドハンターが、「顧客の目線で、ともに考えアドバイスをしてくれるかどうか」ということ、そして、「候補者のために動いてくれる人物かどうか」を見極めることが何よりも大事という事です。


No.64

人事と現場(部署の責任者)との違い

面接で人事の人と応募した部署の責任者との違いを感じられたことがありますか?
現場の人は、候補者を見るとき、即戦力になるか? 現組織になじめるか? チームワークを乱さないか?などという視点で厳しくチェックします。 一方人事の人は候補者が会社のカルチャーに適合するかどうか、部署の直属の上司とうまくいくかどうか? 部下がいる場合はあの人達をうまく管理できるだろうか? 部下に逆に振り回されたり、つぶされたりしないだろうか?と面接のときに診断しようとします。 それらの疑問にもとづいて面接の時いくつもの質問をします。

では給与面に関してはどうでしょうか? いろいろなケースがありますのでいちがいにいえませんが、次のような事例もあります。

部署の責任者の人が、給与の予算を管理している場合が多いです。 書類選考で期待感がもてる候補者で、面接の時それを裏切らないよい結果の場合、現場の人は自分の管理している給与の予算内で高給を出そうとします。 それはその候補者を採用したいからです。 給与が候補者の希望額より低いという理由でその候補者を失いたくないからです。

しかし人事の人は部署の責任者と候補者に提案する給与の面で歩調を合わせない場合も生じます。人事の人は会社の給与規定をできるだけ守ろうとします。 候補者によって例外をつくりますと後々面倒なことが起こるからです。 そこで特に大きな会社で給与規定が詳細に決められている場合は、部署の責任者のニーズや面接で好成績だった人をすぐに採用したい意向より、会社の規定を優先します。 この職責だと基本給いくら、職能給いくらと社員の給与を横断的に検討した結果、候補者にたいする提示額を決定します。

そこで部署の責任者が面接の時候補者に概算でいっていた給与より、合格通知で提示された給与額が少ない場合も生じます。 ここでは約束が違うと感情的になるのは得策ではありません。 人事の人に詳細を聞く、採用企業とのあいだにエージェントが介入していた場合はそこを通して事情を聞いてもらうことをお勧めします。 詳細を聞いてもなお、提示額に納得がいかない場合は入社辞退という選択肢もあると思いますし、もし希望するなら求人会社と給与に関する交渉という道も残されています。


No.65

自己紹介は自分のプレゼンテーション

人材紹介業のコンサルタントあるいはヘッドハンターより連絡を受け、求人企業の人と面談をする約束をしたとします。 あなたは面談のための準備をしますか?

友人、先輩あるいは親戚の人の仲介で就職や転職で人に紹介してもらう機会があったとします。 あなたは面談の準備をしますか?

ホテルのラウンジでお茶を飲み軽く話をするお見合いみたいなもの、面談のあと正式に面接をすると決まったらそのときに履歴書、職務経歴書を用意すればいいだろう。 などと考えて面談になんの準備をせずに出かけられるのではないでしょうか。

その企業への転職にあなたに興味があった場合は特に、最初の面談から面接は始まっていると判断したほうがよいと思います。 正式に会社に応募するときに提出する職務経歴書や履歴書を持参する方法もありますが、自分の能力、経験を説明するための資料を2ページぐらいにまとめておくのをお勧めします。

職歴は年代別に箇条書きでよく、職責、何をしたか、達成したこと、成功したこと等要点をまとめておきます。 この準備ができていますと自己紹介もスムースにいき、自分の経験能力、セールスポイントもうまく説明ができます。 自分のいままでしてきた職歴だから忘れるわけはない、要領よく説明できるはずだと思い込んでいるのは間違いです。

その資料を相手に見せる方法もあり、それを基に質問してもらう方法もありますし、その資料をテーブルにおき、相手に見せながらプレゼンテーションをするのも有効な手段です。

「えーと、あれは何時だったかな、あの時のハイライトはなんだったかな,」と面談の最中に思い出そうとしたりしていましたら、せっかくの面談のチャンスをものにできません。
求人側は生産性を求められています。 採用した人が即戦力になることを期待しています。 そこで求人案件の求められる資格・能力・経験を細かく規定して候補者に合い確認します。

間違った人の採用をすることは人事も、担当部署も許されておりません。 そこで細かい採用条件に候補者が出来る限り適合していることが求められています。 自分のプレゼンテーションを効率よく行い面談を成功裡に導きましょう。


No.66

一度、不採用になった会社に再応募する場合

ある候補者より求人案件に応募される意思表示がありました。 そこで履歴書、職務経歴書を人事部に提出して書類選考をお願いしました。

数日後、その人事部より「同姓同名であったら誠に失礼ですが、弊社を6ヶ月前にご応募のあった方ではないかお調べ下さい。」と連絡がありました。 候補者の方にお聞きしますと「以前応募したことがあります。 その時の職責は営業の管理職でした、今回は業務の管理職だったので応募しました。」という返事でした。

たしかにその方の能力、経験では営業の管理職より業務の管理職に適合していました。
そしてその候補者は営業の管理職で不採用になるとき、会社側から今回は不採用ですが、優秀な方なので同社で他の職責の求人が無いかどうか調べました。 しかしあいにくポジションがありませんでした、と人材紹介エージェントから連絡がありました。

「一度、不採用になった会社に再応募する場合」は人材紹介エージェントにその経緯をあらかじめ話したほうが良いと思います。 エージェントから事情を話した上で応募したほうがマナーからしても正しく、求人企業から変な誤解を受ける事はありません。 またお互いの貴重な時間の浪費につながりません。

また不採用の時の説明ですが、候補者を傷つけないための説明も含まれている可能性もあることを考慮しましょう。

違うケースですが、3年前に営業職で面接試験に合格して大阪地区勤務をオファーされ、引越しが出来ない理由で入社を辞退した人が同じ会社に他の人材紹介エージェントを通して応募したことがありました。 そこの会社の人事部では約3年間の採用活動履歴の記録が残っています。 人事部の採用担当の方が何らかの理由で変更になっても、履歴が残っていましたので問い合わせがありました。

もちろん再度入社試験を受けて合格することもありますが、一度オファーを受けたものを候補者の理由で辞退した過去の経緯がある場合は困難だと思われます。

候補者の個人情報秘密保持はエージェントの義務です。 過去の職歴を話すと同時に応募企業と関連する転職活動の過去の経緯をエージェントに話しておきましょう。 


No.67

「余計な事はいわない」

ある外人の候補者をコンサルタントに紹介した時です。 私は紹介がすんだあと同席して二人の面談を聞いていました。

コンサルタントは日本人ですが、その候補者の職務経歴書を見ながら候補者の職歴を聞いていきました。質問は非常に簡潔でした。 「このときあなたは何をしていましたか?」 「ここでの仕事はなんでしたか?」 主に候補者の仕事内容を聞きました。

それに対して外人の候補者は真面目に応えていましたが、どうも答えが簡潔ではありませんでした。 「その仕事が好きではなかった」とか、「その仕事は部下と上手くいかず失敗した」とか聞かれていないことまで、自分の不利になることまで話しました。 正直でよいと判断する面接官もいますが、消去法で(減点法)で面接する人にかかると不合格になるだろうという応答の仕方でした。

不景気で求人案件の数が少なく、ひとつの求人案件に短期間に200通以上の応募の履歴書が集まる時にはどうしても買い手市場となります。 求人側は候補者に厳しい応募資格、経験能力を要求して優秀な人、即戦力になる人が応募してくるまで採用しないという方針で採用活動、面接をしています。

その状況では候補者のアピール型、積極姿勢を表現する面接がおおくなります。 面接で候補者が漫然とした態度や一言よけいなことをいいますと採用される確立は低くなります。

面談者が電話のため席を立ちました。 私は外人の候補者を傷つけないように言葉を選びながらアドバイスをしました。 質問にもっと集中して何を聞かれているか理解しそれに簡潔に答えること、余計なことをいわないこと、を勧めました。

彼の反応は意外でした。 笑いながら「あまりしゃべりすぎるな・・・ ということでしょう? わたしは家内からいつも“面接ではしゃべりすぎるな”と注意されています。」といいました。わたしも笑顔で返しました「偶然ですね、わたしとあなたの奥様とは同じ意見ですね。」


No.68

「面接での質問は重要です」

面接の終わりに求人側は必ずと言って良いほど候補者に「なにか質問がありますか?」と聞きます。 「このとき“質問がありません”と答えるとその人は面接不合格です。」と明言する人材コンサルタントがいます。

わたしもその意見に賛成です。 質問の無い人はその会社に入ることにそれほどの興味が無い、受身な態度のひとで積極性が無い、もしかしたら“指示まち族”かもしれない。 と思われるのが常です。

もちろん取るに足らぬ事、センスの無い場違いな質問をしたら減点対象になることでしょう。 しかしそれでも「質問がありません」より良いと思います。

これから勤務することになるかもしれない会社の将来性に関心はありませんか?

この会社の業績は伸びているのでしょうか、利益を上げているのでしょうか、競合には勝っているのでしょうか、この会社の強みはなんでしょうか、 新製品の販売の計画はあるのでしょうか、どんな社風でしょうか、どんな社員が求められていますか、応募している職責で挑戦しなければいけないこと、努力が必要な事はなんですか、等々、いくつか質問事項を事前に考えておきましょう。

求人側からの答えの中に自分でコメントしたいこと特に前向きな意見をいえる機会があったらそれを言いましょう。そこから求人側との対話が広がり、型どおりの面接の会話より一歩突っ込んだ話になります、すると合格に近づきます。 もちろん自分の意思表示とはいえ面接官のコメントに対して真っ向から対立意見をいい、不毛の討論をしても何の約にも立たない事は明白です。

候補者の質問から求人側の答えがでてきて、それに対して候補者が意見をのべ、共通した意思が確認できた場合はかなりのプラスになります。以上のようなチャンスを「質問はありません」と言った時に自ら消滅させているのです。


No.69

「会長面接」(あるいは顧問の面接)

最終の社長面接も終わり採否の結果まちのときに、「最後に会長面接を受けていただきます。 これは会長にお会いいただくための儀式のようなものでただの形式的な面接ですから・・・」と言われることがあります。

あるいは「会長」でなく「わが社の顧問(コンサルタント)」の場合もあります。このとき「ただの形式的な面接ですから」ということをうのみにして油断してはいけません。 ましてや「会長」や「顧問」にあったが履歴のことに細かい事はなにも聞かれず振り返ってみると面接はたわいもない世間話で終わったということがあります。 これで合格通知をもらえたら幸運ですが予想に反して「不合格」という通知がくることもあります。

面接にあたり会長(あるいは顧問)は自分の存在感を社長や人事部長を含めた上級職に示したいと日頃思っている人がいます。 そこで候補者の職務経歴書や履歴書を読み候補者の弱点をそれとなく確認する人がいます。そして面接後の社内会議のコメントとして会長(顧問)はその候補者の弱点に気がついていることを表明します。

社長や上級職はその候補者の弱点を考慮しても他の魅力のほうが勝り採用したいと考えていたのですが、会長(顧問)から面接後コメントとして明確にその弱点を指摘されるとそのことが気になりはじめ、会長(顧問)の反対意見を翻しても採用しなければいけないほどの候補者ではないな・・・今回は採用見送りにしようか、というふうに意思決定が変わることがあります。

「ただの形式的な面接ですから・・・」と言う言葉は忘れて、会長(顧問)面接が重要だと言うことを認識して面接に臨みましょう。 相手から世間話しか出てこない場合、こちらから会長(あるいは顧問)の会社での苦労話を質問しましょう。 昔の自慢話を聞いてあげましょう。 社風を聞いてもしご縁があった時はどのようにしたら歓迎される社員になれるか、会社に貢献するためにはどうしたらよいかというアドバスも聞きましょう。自分の意見を発信するチャンスの時は前向きな意思表明をしましょう。

この候補者は私のことを軽くみず、アドバイスを求めてきている、マナーもいいし、自分の意見もしっかり持っている、入社した場合は会社に貢献しようと思っている、と感じてもらえれば「合格」の通知が面接後まもなく届くことでしょう。


No.70

「コンピテンシー」

「わが社ではセブン コンピテンシーを重要視し、面接のときにもそれをもとに候補者と面談させていただきます。」と求人企業の採用窓口の方から言われました。

「コンピテンシー」は英語で「能力」「有能」の意味がありますが、1990年以降企業で人事評価、基準に採用する企業が増えています。 それはどんな能力を持っているあるいはどんな行動特性をもっている人が会社で好業績をあげているかを考慮して面接しているのです。

候補者の方から、その求人企業のセブン コンピテンシーは何ですか?と質問を受けましたので求人企業の窓口に聞いて回答を候補者に知らせました。 それは以下のものでした。

1. 市場分析能力。

2. リーダーシップ。

3. ソーシャル スキル。

4. 実績、結果を求める。

5. 顧客を大切にする。

6. 人を巻き込んでいくスキル、コミュニケーションスキル。

7. ネゴシエーションスキル。

上記のものには優先順位はついていません。 窓口の人が言われた順番に列挙しました。

会社によってはリーダーシップに「ビジョン設定力」を考慮し、上記のほかに「有効な対人関係の構築力」や「変化適応能力」を掲げる企業もあります。

面接を受ける人は上記のコンピテンシーをもっていることをできるだけ具体的な例を挙げて面接官に理解される努力が必要です。 一例ですが候補者は面接であまりアピールするタイプではなく面接官の言葉を物静かにじっくり聞く人でした。 そこで「傾聴力」を評価されたのではなく、「やる気」「積極性」がなく「リーダーシップ」がないのではないかと判断されてしまいました。


No.71

「学習意欲」「迅速な学習能力」

求人企業は候補者が「学習意欲」があるかどうか調べます。 それは入社後身近なところでは職務に関連する事柄です。 もし販売職であれば会社の誇る技術、製品、を学習する意欲があるか、そして入社後短期間でそれを覚えることが可能かどうか、という事です。

特に高年齢層の候補者では経験も豊富で業界知識にも精通していて、私はかなりの部分を熟知していると自信をもち新しい事柄を学習することを重要だと思っていないことがあります。

面接時に「この年になると新しいことがすぐに覚えられなくて・・・」などと発言しますと就職は無理となります。

求人企業は即戦力の人を求めています。営業職では特に製品知識や競合他社のことを学習しそれを営業活動に活用することを求めています。 真面目にこつこつ顧客を回り「お願いします。」と頭を下げるだけの古いタイプの営業マンは歓迎されません。

入社後の研修が一通り終わった時それで学習が終わったわけではありません。ネットや本でそして顧客からまた会社の同僚、先輩から会社のもっている技術や製品に関連する知識を学び増やしていくことが重要です。社内の研修スタッフから「え、もうそんなところまで勉強し知識として活用しているの!?」と驚かれるぐらいの速さが理想です。

「新しいことを学ぶことに興味があります。」と学習意欲を明快に表明する。

「以前、こういうケースで知識を短期間で習得した実績を持っています。」と普通の人より早く短期間で覚えられる能力があることを面接でアピールしましょう。

これは候補者のもつエネルギー、活力を表しています。 すなわち「学習意欲」は候補者が基本的に強い労働意欲(モチベーション)を持っているかどうかを表し「迅速な学習能力」は候補者の学習にかけるエネルギーと知識をいかに早く取得するかの能力を表しています。


No.72

候補者に求められる能力、人物像
「チームプレーヤー」

求人企業は候補者に「チームプレヤー」であることを求めることがあります。 入社試験の集団面接などでもその候補者の立ち位置を観察して発言の内容だけでなく発言するときに他の候補者の発言を妨げていないかチェックします。 同時に集団面接の折の討論の論点や進行に適合した意見の発表があるか、討論の途中に場違いの発言や不適切な表現がないかも観察されます。

これは一般論ではその候補者が入社後“社風”に合うか、既存の社員とうまく融合して仕事ができるかどうかという事ですが、「チームプレヤー」でない人が入社したときのことを想定するとその重要性が明確になります。 一人だけ孤立して勝手な意見を主張し他の社員とまったく違った行動をするとその結果混乱が生じそれを正すのに多大な時間とエネルギーが必要となります。 それは企業の業務遂行の効率を著しく妨げるものです。

しかしこの「チームプレヤー」にも注意しなければならない点があります。 何でもかんでも他の社員の意見に同調する、常にその場の雰囲気を壊さないようにするため自分の意見をまったく言わない。これは「チームプレヤー」でなく「フォロワー(追随者)」になってしまいます。これは企業では「指示待ち族」と評価される結果入社試験に合格しません。

「チームプレヤー」は自分の意見を述べて、発案をしてチームに貢献しなければなりません。 自分の意見を適切に述べる、新しいアイディアを提案する、しかしグループでの討論の結果結論が自分の意見と違ったものになった場合でも、一度チームで決めたもの、自分が合意したものに関しては自分のもとの意見と違ったものでも最後まで遂行する態度、責任が求められます。

プロサッカーの選手にも要求されるものですが、試合中に自分がその場面でシュートを放っていいのか、よりゴールを確実なものにするため良いポジションにいる味方選手にパスをだしゴールをアシストするのが良いのか、一瞬の判断が要求されます。 味方にパスをしたほうが明らかに良い場面に自分で勝手にシュートして外すプレヤーは「チームプレヤー」ではありません。そのような「チームプレヤー」でないことを繰り返す選手は二度と試合に出場の機会は与えられないでしょう。


No.73

「恋とニュースの作り方」

映画「恋とニュースの作り方」を見ました。 題名から推察して軽い恋愛ものだと思いました。 ハリソン・フォードが出演していますのでそれほど粗悪品ではないと考えました。
映画を見て「面接の場面」を転職のヒントで紹介しようと思いました。

もし映画の中の「面接の場面」に興味を感じられましたらご覧になることをお勧めします。

主人公の若い女性は地方局のニュース番組ディレクターで仲間から昇進するという噂の中で昇進を告げられると思ったその場で意に反して上司から勧奨退職を受けます。 会社のリストラ策の一環でした。 彼女の夢は全国ネットのニュース番組の制作ディレクターになることでした。そこで全国ネットのTV局に応募します。

応募したTV局の局長から会いたいと電話がかかってきます。 局長のセリフから「君の履歴書は5通全部受け取った。」というのがあります。 彼女は応募したTV局からなんの返事もないので彼女の履歴書を送り続け5回目に返事をもらったことがわかります。米国では候補者がそのような応募の仕方をするのだろうかと思いました。

局長の面接では「圧力面接」が行われます。映画をご覧になればわかりますが、彼女との面接で局長はまるっきり笑顔を見せません、苦虫をつぶしたような顔をしています。
そして最初からお決まりの質問をします。[ Why you are hear?] (どうしてあなたはここにいるのか?)

そこで彼女はいかに全国ネットをもったTV局のニュース番組で制作ディレクターをしたいか熱く語ります。自分の経験と能力が応募した職責に生かせるとアピールします。しかし局長の反応はなく相変わらず不機嫌な顔をしています。次に局長は「自分の局はたしかに全国ネットをカバーするニュース番組を提供しているが、競合他社に負け視聴率も4社の中で最悪だ」と言います。

その話を受けて彼女はまた情熱をもって自分は良い企画を提案して番組をつくり視聴率を上げることができる、自信がある、と意思表示をします。 局長はそれでも姿勢を変えません、そして「応募者は面接では皆がそういう経験、能力と仕事に対する覚悟を表明するのだよな、しかし皆現実で困難の状況に会うと途中で挫折して辞めていくのだよ。 だからうちの制作ディレクターは出入りが激しいと業界では言われている。」と言います。

映画でなく実際の面接でも面接官が会社の苦しい状況を説明しいかに厳しいか、仕事が大変かという話をして面接者の気持ちを折るような話をする場合があります。 これは面接者の仕事に対する覚悟のほどを確かめているのです。

彼女は局長のネガティブな話の連続にもめげずにまた前向きな自分の気持ちを熱くかたります。彼女の話が一段落したとき、局長は「That’s it?」(あなたの話はそれだけか?)と聞きます。 ここで彼女は(これは駄目だと思い)顔を曇らせ椅子から立ち上がります。

映画では彼女が会社をでてしばらく歩いているときに携帯電話がなり局長から「合格」の知らせを受けます。 その時局長は彼女の勤務していた会社の上司からいかに彼女が優秀だったか聞いたと話します。 日本の会社では候補者が以前勤務していた会社に直接連絡して候補者の勤務態度や能力を聞くことはあまりないと思いますが、米国ではごく当たり前にリファレンスチェックがあることが判ります。

実際応募した会社で「圧力面接」を受けた場合、面接官の態度や話に臆することなく前向きな姿勢で自分の経験、能力、その職責にいかに強い興味をもっているか熱く語りましょう。



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